「手足口病」や「新型コロナ」などの感染症が県内でも拡大…熱中症とあわせてこの時季の注意点は?(静岡)
このところ全国的に流行している「手足口病」や「新型コロナ」が、静岡県内でも感染が拡大しつつあります。こうした感染症に加えてこの時季は「熱中症」への注意も必要です。
いま、小さな子どもの間で流行が拡大している「手足口病」。手のひらや足の裏、そして口の中などに水ぶくれができる病気です。静岡市内の幼稚園でも7月から「手足口病」で休む子どもが増えているといいます。
(静岡聖母幼稚園 看護師 土井 真希さん)
「7月の2週目くらいから1人2人と出て、先週7月5日金曜日から3人くらい、この3連休で 5人に増えて」
7月1日から7日までの1週間で、県内では定点あたりの患者報告数が16.58人と、3週連続で警報レベルの目安とされる「5人」の3倍以上もの高水準となっています。幼稚園は感染を徹底しています。
(静岡聖母幼稚園 看護師 土井 真希さん)
「手足口病は飛沫感染や経口感染で広がっていくので」「手洗いやうがいをこまめにするように声掛けている」
静岡市内にあるクリニックでは、17日も午前中から。
(院長)
「水泡(すいほう)ができているよね」「手足口病ですね」
「手足口病」の症状を訴える患者が続々と受診していました。
(増田こどもクリニック 増田 裕行 院長)
Q.増加状況
「先週くらいから急に増えだして、 16日は一日に18名来た」
祖母に連れられてやってきたのは1歳3か月の男の子。
(男の子の祖母)
「16日午前中に39度くらい熱がありまして」「しばらくしたらぶつぶつができて、一日機嫌が悪かったんです」
(院長)
「お熱がね9度2分まで出ていて、ぶつぶつが出てきたんだね」
「手足口病」と診断されました。
保育園に通う、この2歳の女の子も、口の中や足に発疹ができ受診。
(女の子の母親)
「保育園に通っていて、保育園や出先、休日にうつったかなと思います」
相次ぐ「手足口病」の患者に増田院長は。
(増田こどもクリニック 増田 裕行 院長)
「ここ3年くらいコロナもあったが、その時期はほぼゼロの状態だったので、その時にかかっていない人がたまっているので、たぶん3歳以下の子はほぼ全員、免疫ないと思う。ことしはすごく流行すると思う」
(増田医師)
Q.必要な対策などは
「この病気が感染力が大体1か月 続くといわれているので」「この病気は人に移すのはしかたないとある程度思ってもらう病気」「小さいときに軽症で済んでおけば、大きくなって重症になることも あまりないと思うので、いつかは1回はなる病気」
増田院長は、免疫のない子どもが多く、この先、少なくとも1か月は流行が続くのではと見ています。
一方、17日、三島市で初めて開かれた「感染症対策専門家会議」。これまで、「専門家会議」では「新型コロナ」への対応が話し合われてきましたが、「新型コロナ」が5類に移行したことを受け会議の名称を変更し、ほかの感染症についても対応を議論しました。
その「新型コロナ」、感染者数がじわりと増加しています。県によりますと、7月1日から7日までの1週間に、定点医療機関から報告された新型コロナウイルスの感染者数は、1医療機関あたり7.14人。1週間で少なくとも6000人1日あたり約900人が新たに発症していることになります。静岡市は、17日、新型コロナの感染者数が1定点医療機関あたり8.92人と「注意報レベル」に達したと発表しています。
なぜ今、新型コロナの感染者が増加しているのでしょうか。浜松医療センターの田島医師は。
(浜松医療センター感染症内科 田島 靖久部長)
「冬と夏に増えるというのが日本の特徴。これは換気。暑くなると締め切ってエアコン冬になると寒くて暖房をつけて換気が悪くなる」
さらに、この時季は“熱中症”と区別がつきにくいといいます。
(浜松医療センター感染症内科 田島 靖久 部長)
「多少気持ち悪くなったり/体温を測定すると高温で38℃以上出ることがある」「ただ決定的に違うのは、基本的に熱中症が起こりやすい状況があるので、そういうシチュエーシ ョンにいたのかどうかが極めて大事」
改めて「新型コロナ」への対応を聞くと。
(浜松医療センター感染症内科 田島 靖久 部長)
「窓を一方向性で空気が入るところと出るところの2か所開けて風が出入りするように短時間、数分間でいいので開けて、また閉めるというのが現実的にはいいのでは」
新型コロナは、去年、感染症法上の5類に移行しています。
(浜松医療センター感染症内科 田島 靖久 部長)
「基本的に5類になったということは、これは日常の中で対応するという認識になっている」「各個人の責任の範ちゅうにあると思う」
暑い日が続き免疫力が低下しがちなこの季節。子どもも大人も“感染症”への注意が必要です。