【リニア】山梨工区で静岡に向かって行われているボーリング調査を鈴木知事が初視察「いまのところ安心できる」
リニア新幹線で山梨から静岡に向かって行われているボーリング調査に関して、鈴木知事は、5日、山梨を訪れ、初めて視察しました。知事は視察後、「いまのところ安心できる」と話しました。
5日、私たちが向かったのは山梨県の山間部。ここはリニアの南アルプストンネル山梨工区。トンネルに入ってから、およそ20分進み…。車を降りた先が、ボーリング調査の現場です。調査はトンネル工事に向けて、地質などを調べるために事前に行うもので、静岡側に向かって掘り進めています。現場では、調査によって出た湧き水も確認できます。
(山﨑 幸太 記者)
「知事が到着しました。これから、知事就任後初めてのボーリング調査の視察に入ります」
鈴木知事は、山梨県の長崎知事とともに視察を行いました。今回の視察は、長崎知事の呼びかけもあり、実施されたということです。
ボーリング調査を巡っては、川勝前知事は水への影響を懸念し、県境300メートル以内の実施を認めてきませんでした。一方、鈴木知事は、就任後、県境300メートル以内での実施を認め、さらに9月には県内での調査も認めたのでした。
(鈴木知事)
「大井川利水関係協議会から」「静岡県内におけるボーリング調査の実施を了解する旨報告があった。県としても了解できるものと判断しJR東海に回答した」
調査は10月4日時点で県境257メートルまで進んでいて、知事は、JR東海の担当者から、調査で出ている湧き水の量などの説明を受けました。
(JR東海の担当者)
「今、湧水量を計測しまして、毎分36.8リットルです)
調査が県境300メートル以内に達してからの湧き水の量は、調査を中断する基準となる「管理値」の0.08パーセントに収まっているということです。
リニア開通のカギを握る鈴木知事の動きとあって、多くの報道陣が駆けつけた今回の視察。注目が集まった、知事の発言は…。
(鈴木知事)
「-データ等では確認をしていましたが、きょう実際に現地を見させて頂いて、いまのところ順調に湧水も少ないですし、調査もしっかり管理されていることが確認できたので、いまのところ県民のみなさまに安心いただける状況にあるかと思う」
また、今後に関しては…
(鈴木知事)
「JR東海にも、慎重かつ安全に進めていただければと思う」
一方、山梨県の長崎知事は一日も早く事業の実現を目指すと意欲をみせました。
(長崎知事)
「しっかり両県の県民の皆さまの理解を、きょうをきっかけに進んでいくのではないかと、大変重要な意味があったと思っている」
また、6日は、島田市役所にリニアの関係者が集まり、意見を交わしました。集まったのは、JR東海の環境保全を確認する国のモニタリング会議と、大井川流域の8市2町に加え、県や、参加を求めていた静岡市も出席し、静岡側のリニア関係者が一堂に会す場となりました。
会議は冒頭以外非公開で行われ、出席者によると、一部の首長からは、ボーリング調査に関して、水への懸念が住民からあがっていると意見が出たということです。モニタリング会議の委員は、現状のJR東海の対策であれば、仮に水が出ても影響を最小化できるなどと説明したということです。
(島田市 染谷 絹代 市長)
「科学的・客観的にモニタリングしているという話でございましたが、私はきょうの先生方の話はとても納得のいくものであったし、安堵できるものであった」
県境越えへと進んでいるボーリング調査。まずは、への影響がなく、調査自体が進むのかどうか。注目されます。