知人女性を殺害し遺体を切断遺棄した罪に問われた男…初公判で起訴内容全面的に認める(地裁浜松支部)
知人女性を殺害し遺体を自宅で切断した罪などに問われている男の初公判が開かれ、男は起訴内容を全面的に認めました。裁判で明らかになった犯行の経緯とは?
2023年2月、静岡・沼津市の住宅でバラバラに切断された女性の遺体が見つかった事件。
(2023年・坂井 太一 記者)
「いま3階のベランダでは、鑑識が入念に調べている様子がわかります」
殺人と死体損壊などの罪で起訴されたのが沼津市の無職で32歳の男の被告です。起訴状によりますと被告の男は、2023年2月、知人の女性を鉄製のハンマーで殴った後、スマートフォンの充電ケーブルで首を絞めて殺害。その後、糸のこぎりなどを使って遺体を切断し、自宅のバルコニーと車に遺棄した罪に問われています。
4日、地裁浜松支部で開かれた裁判員裁判の初公判。被告の男は、裁判長から起訴内容について間違いないか問われると…。
(被告)
『特にありません』
このように答え、起訴内容を全面的に認めました。
これは青年会議所のメンバーでつくる委員会の集合写真。同じ写真に写るのは被告の男と殺害された女性です。被害者の女性が住んでいたのは、被告の男が住んでいた沼津市から、直線距離で約100キロ離れた磐田市。2人は、2022年1月、県内の青年会議所で組織される「静岡ブロック協議会」の同じ委員会のメンバーに…。当時、2人のことをよく知る青年会議所の関係者はこう話していました。
(青年会議所の関係者)
『一緒に活動したが、2人はすごく仲が良かった』『よく飲み会に出席していた』
また、被害者の女性については「いろいろな場所に積極的に顔を出す活発な人」「子ども2人を抱えるシングルマザーのため、いい人がいたら紹介してほしい」と話していたといいます。
2人の間に何があったのか。裁判で犯行の詳しい経緯が明らかになりました。被告の男には妻と2人の子どもがいましたが、交際関係に発展したといいます。その後、被告の男が被害女性に振り込んだ200万円の返金を求め2人はトラブルに…。
事件当日の2023年2月21日、被告の男は「プレゼントを渡す」などとうそをついて静岡駅で被害女性と合流。静岡市駿河区内に駐車した車の中で、後部座席から運転席にいた被害女性の頭などを鉄製のハンマーで20回以上殴った後、清水区まで移動し、スマートフォンの充電ケーブルで被害女性の首を絞めて殺害したということです。そして翌日、被告の男は、沼津市内の自宅で遺体を糸のこぎりや包丁を使って切断…ベランダや車の中に遺棄したということです。犯行当日、近所の人が被告の姿を見ていました。
(犯行当日 被告の男を見た人)
「こんなに寒いのに半袖のTシャツと半ズボン(をはいていた)、神経質、青白い顔だった」
検察側は冒頭陳述で「被害者の女性と会う際にハンマーを持っていくなど犯行は計画的」と指摘。一方、弁護側は「ハンマーは脅すために持っていったもので計画性はない」と主張しました。犯行の計画性が争点となっている今回の裁判。6月10日に結審し、14日に判決が言い渡される予定です。