静岡・川勝知事が「三島に東アジア文化都市の継承センターを置きたい」「詰めの段階」などと発言した問題をめぐり、22日、県議会の総務委員会は知事に発言の訂正を申し入れることを決めました。

川勝知事は、10月、経済界との懇親会の中で、「三島市に東アジア文化都市の発展的継承センターを置きたい。土地を物色している」とした上で「国の土地を譲ってもらおうと詰めの段階に入っている」などと具体的な発言をしていました。

この発言をめぐって県議会の自民党会派から「議会軽視ではないか」と指摘する声が上がり閉会中審査が開かれる事態にまで発展。その中で、委員からは「詰めに入っている」という知事の発言は「虚偽説明なのではないか」など厳しい質問が相次ぎました。

（自民改革会議　河原崎 聖 委員）
「外部の人に対して決まっていない事を言いふらした」「思い付きの段階で『詰め』といってしまう。現時点では詰めではない。しっかりと訂正する謝罪する必要がある」

自民党会派からの追及が相次ぐ中県の担当者は…。

（県経営管理部 京極 仁志 部長）
「私たち事務方としては土地に関しては情報収集の段階だと考えている。そういう意味では多少誤解を受ける発言だったかなと」「まだ外部に出す段階だとは考えていなかった」

知事の「詰めの段階」発言をめぐり、22日 開かれた県議会総務委員会。国有地を管理する東海財務局の職員が招致され県との打ち合わせ状況について答えました。

（自民改革会議　伊藤 謙一 委員
「東アジア文化都市のレガシー拠点として定期借地でもって県はいま詰めの段階まで来ているというような趣旨の発言をしている。やりとりをあらわす表現として正しいものと感じておりますでしょうか？」＊

国有地をめぐる県と東海財務局との打ち合わせ記録。打ち合わせは過去3回行なわれていますが、その中で、県は繰り返し構想段階であることを伝えています。また、知事が発言した「東アジア文化都市の継承センター」という内容は一度も出ず、「詰めの段階」とはほど遠い状況であることも分かります。東海財務局の職員は、自民党会派からの質問に対し「具体的な交渉には入っていない」との認識を示しました。

（東海財務局 野口 雅人 管財部次長）
「静岡県内部でご検討いただいているところということでございまして、そこの方向性が見えた段階で、別途ご相談いただけるものと伺っている」

これを受けて、総務委員会は「到底、詰めの段階ではない」として、川勝知事に“発言の訂正を申し入れる”ことを決めました。

（自民改革会議　西原 明美 委員長）
「今回問題になった東アジア文化都市2023、レガシーとなる拠点を三島に置くと言った発言に対して訂正をいただきたい。そして、詰めの段階に入っている発言も今回の調査の結果、決して詰めの段階ではないことが分かったのでこの2点について発言の訂正を求めていきたい」

知事肝いりの東アジア文化都市事業をめぐる「詰めの段階」発言は新たな波紋を広げています。