【早くも公約撤回?】「県東部に医学部誘致」選挙戦での訴えを事実上撤回か 鈴木新知事「ハードル高い」に東部の市民や首長は(静岡)
(選挙期間中の鈴木 新知事)
「私は東部地域に医学部医大を誘致をしたい」「これは不可能ではない既にあても少しある。私が知事になれば先頭に立って東部に医学部医大を誘致したい思う」
県知事選の期間中、「東部の票が勝負のカギを握る」と話し、東部の出陣式で、医学部新設の政策を訴え、支持を求めた静岡・鈴木康友新知事。
その後の記者からの質問に対しても、改めて医学部新設に強い意志を示しました。
(記者)
Q.「医学部をつくると言ったの初めて?前から?」
(選挙期間当時の鈴木 新知事)
「アドバイスをもらったのがそこまで前ではないので、これはやらなければならないと新たに追加したマニフェスト」「これは絶対やりたいと思っている。突破力を駆使して実現に導きたい」
人口10万人当たりの医療施設に従事する医師の数では、全国平均が262.1人に対し、静岡県全体は230.1人と下回っています。
さらに地域別にみてみると、西部が240.6人、中部が236.3人、東部が212.2人で、東部はさらに医師の数が下回り、より深刻な状況なのがわかります。
こうした中、5月29日の就任会見で、東部の医学部新設に関して鈴木新知事は…。
(鈴木 新知事)
「可能性として0ではないと思うが、条件を調べていくと、これから人口が減っていく中で、マクロとしては、まもなく医者が余る。当然地域的な偏在は残るが、そういう時代に入っていくので、新たな医学部の新設はハードルが高い」「即誘致ができるとはなかなか考えられないので可能性を探ることはやぶさかではないが、それよりも即効性のある施策に重点を置いた方がいいと思っている」
構想を事実上撤回。その上で、県が行っている医学部生に対する奨学金制度の定員を増やし、増やした枠は、東部地域での勤務に限定する条件を設定するなど、即時性のある施策に知恵を絞っていきたいと説明しました。
突然のトーンダウンに東部の市民は…。
(裾野市民)
「早速なんだっていう気持ちはあるが、『早速やります』と言ってたことが出来ない雰囲気の話が出ているということですもんね」
(三島市民)
「東部に医学部を誘致するって言っていた」「鈴木新知事だけではなくて今の政治家全般に言えることだが」「選挙戦のときには熱く語る人はいっぱいいるが、結局ふたをあけてみたらできない。でもだからってすごく責められることもないし有権者も諦めている」
一方、鈴木新知事の事実上の構想撤回を受けて、東部の首長からは、危機感が高まる医療体制を改善するため、医学部の新設を求める声や落胆の声が上がりました。
(記者)
Q.「病院や医学部の学生が欲しいなど今の認識は?」
(裾野市 村田 悠 市長)
「医療体制については、医師の人口当たりの1人あたりの人数も足りていなく、中部圏西部圏に比べれば大きな病院の体制がないので、医療過疎と言っても過言ではない地域」「生活の柱として教育と医療は町を維持していく上で大切なインフラなので、しっかりと解決をしていかなければならない」
(三島市 豊岡 武士 市長)
「残念の一言」「もし実現できたら素晴らしいと思ったが、過去の川勝知事の最初の時の公約で、「医大を東部につくると」結果的に医大の設置まではいかなかった経過がありますので、相当ハードルが高いなと」「医大がダメなら東部の医療水準を高めるために、あらゆる手段を講じて東部の県民の安心につなげてほしい」
選挙期間中、長年の政治家としての実績をアピールしてきた鈴木新知事。
就任早々、軌道修正を行った東部の医療体制の改善に向け、どのように取り組んでいくのか、今後、その手腕が問われます。