【リニア】環境保全対策を確認する国のモニタリング会議初開催…静岡県とJRの議論“こう着”打開へ期待
リニア工事に伴いJRの環境保全対策を確認する国のモニタリング会議が、2月29日、初めて開かれました。静岡工区着工のめどがたたない中、こう着する県とJRの議論を打開する役割が期待されます。
29日、初めて開かれた国土交通省のモニタリング会議。
(斉藤鉄夫 国交相)
「モニタリングで得られたデータなどに基づく見直しが重要。国としてもJR東海による取り組みをモニタリングすることで、プロジェクトを推進していく必要があると考え、この会議を開催した」
この会議は、国の有識者会議がまとめた“リニア工事に伴うJR東海の水資源と環境保全策”の実施状況を確認するため、国が新たに設置したものです。川勝知事はこの会議の座長について、自ら候補者の具体名をあげるなど、こだわりを見せていました。
その座長には、川勝知事と関係が近いとされる県の外郭団体「ふじのくにづくり支援センター」の理事長を務める矢野弘典さんが就任。そのほか、生態学の専門家などの6人の委員が選ばれました。
その手腕が注目される矢野座長は…
(矢野弘典 座長)
「リニア中央新幹線の開通について、どなたも異論はない。実現するために条件を整備し、段取りを明らかにしていくことが重要」
29日は、JR東海がリニア工事の前後や工事中に行う沢の流量や、生態系などのモニタリング計画について説明し、委員からは評価する声があった一方「冬の調査も行うべき」といった意見があがりました。
JR東海の宇野副社長は「議論は次のステージに進んだ」と手ごたえを口にしました。
(JR東海 宇野 護 副社長)
「水資源と生物の関係でやってきた話を統合して、対策の効果をモニタリングすることを評価していただく、一つステージが進んだ。ご意見もいただいたので、真摯に対応していくことが関係の方々の理解につながっていくとよい」
一方、森副知事は、県があげた課題について、この会議で議論していくよう求めました。
(静岡県 森 貴志 副知事)
「有識者会議で取りまとめられた報告書の内容は、工事前の調査が不足している認識。モニタリング会議で議論してもらう方向になれば、この会議は有意義」
静岡工区着工のめどがたたない中国が設置した新たな会議。こう着する県とJRの議論を打開する役割が期待されます。