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【通園バス置き去り】事件から2年で園関係者らが遺族訪問…廃園の求めに園側は継続方針変えず(静岡・牧之原市)

2024年9月9日 17:23
【通園バス置き去り】事件から2年で園関係者らが遺族訪問…廃園の求めに園側は継続方針変えず(静岡・牧之原市)

静岡・牧之原市の認定こども園で園児が通園バスに置き去りにされ死亡した事件から2年が経ち、8日、園の関係者らが遺族のもとを訪ねました。遺族が廃園を求める中園は運営を継続する方針を変えていません。

牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」に通っていた河本千奈ちゃん当時3歳。残暑厳しい2022年9月、通園バスに置き去りにされ重度の熱中症で死亡しました。

この事件から2年が経った9月5日、現場には、多くの人が献花を寄せ、千奈ちゃんの冥福を祈りました。そして、8日。

(芳賀 康俊 記者)
「午後2時です。榛原学園の理事長が花を持ち、河本さんの自宅へと向かっています」

川崎幼稚園を運営する榛原学園の理事長や元クラス担任など園の関係者5人が千奈ちゃんの遺族の元を訪れました。遺族が事件後、園側に訴え続けているのが川崎幼稚園の「廃園」です。

(千奈ちゃんの父親)
「自分たちが求めているのは約束した通り、園の廃園、または榛原学園が違う法人になったりとか、そういったことを望んでいる」

事件直後、園を運営する「榛原学園」は、遺族の要望通り「廃園にする」と約束しましたが、後に一転して、存続する考えを示しています。遺族は、その後署名活動やSNSでの発信を通し「廃園」を訴え続けています。事件から2年が経つのを前に取材に応じた千奈ちゃんの父親。「恨む気持ちは消えない」と現状を語りました。

(千奈ちゃんの父親)
「生活を戻そうと頑張ってきたが、 悔しい気持ちは深い部分に残っていて忘れることはできない」

千奈ちゃんの父親は「千奈ちゃんとの思い出をふと思い出すと毎週涙を流している」「強い信念をもって、廃園になるように動いていく」と川崎幼稚園の廃園を強く求めています。

8日の面会で、園関係者と遺族は、千奈ちゃんの遺留品を見ながら園での生活を振り返ったということです。面会後、報道陣の取材に応じた榛原学園の理事長はー

(榛原学園 増田多朗 理事長)
Q.遺族からどんなお話を?
「悲痛な思いは当然伝わってきますし、我々も本当に申し訳ない気持ちと千奈ちゃんのご冥福をお祈りしますと手を合わせてきた」

一方、廃園については…。

(榛原学園 増田多朗 理事長)
「ご遺族のお気持ちは十分承知しているが入園を希望される方がいる以上は、それ(廃園)はできないという気持ちに変わりない」

この事件を巡っては、元園長に禁錮1年4か月の実刑。元クラス担任に禁錮1年、執行猶予3年の判決が確定しています。遺族は、今後も園に対し廃園を求めていくとともに、園の関係者に対し損害賠償を求める裁判を起こす方針です。また、事件当初からSNSなどを通じて千奈ちゃんを侮辱するような内容の誹謗中傷が絶えないため、悪質なユーザーを情報開示請求により特定し民事訴訟を起こしています。