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【解説】浜松市に新ドーム球場計画 県が“公開しなかった”1年前の「需要調査結果」とは?(静岡)

2025年3月6日 18:37
【解説】浜松市に新ドーム球場計画 県が“公開しなかった”1年前の「需要調査結果」とは?(静岡)

(スタジオ解説 伊藤 キャスター)

県が浜松市に建設する新野球場計画について改めて確認します。

場所は遠州灘にほど近い、浜松市中央区篠原地区です。位置で言いますと、この地域で一番大きな駅のJR浜松駅からおよそ直線で7km車で20分ぐらいかかります。最寄りのJR高塚駅からは徒歩で30分近くかかり、交通アクセスが大きな課題といわれています。

海辺にあるため、球場の照明がウミガメに影響を与えないよう「ドーム型」というのが検討されていて、浜松市側は野球以外のイベントでも使えるよう「多目的型ドーム」の建設を県に求めているという背景があります。

そして今、波紋を広げているのが、この野球場に関して県が公表してこなかった「非公開資料」というものなんです。これは、そもそも県が東京のコンサルタント業者に依頼した、調査委託したものですので、2200万円という費用がかかっていまして、調査は昨年の6月に開始されて報告書は去年の3月に提出されたという流れがあります。調査は、野球場の規模や構造を検討するため、プロ野球球団やイベントプロモーター、さらに、施設の建設・運営などに関わる事業者にアンケートやヒアリングを実施しました。

その内容を、ちょっと詳しく見ていきます。球団関係者からは「毎年、特定の球場での興行開催が行われることが決まっていない」「近年は球団と球場の一体的な経営がトレンド」などの意見が聞かれ、また、音楽イベントについては「立地条件からコンサートの開催は厳しい」などの声が上がっていました。

そのため、報告書では市場調査やヒアリングの結果から「音楽イベント・プロ野球の恒常的な開催は見込めず、観客は多くても高校野球の5千人程度」よって、野球場は「屋外型で収容人数は1万3000人で対応可能」だと結論づけています。

また、金額に関してですけれども、県が基本計画では370億円でしたが、実際は450億円と数字が出てきていまして。これは2024年3月時点の報告なので、最近の物価上昇を考えると、さらに上振れする可能性も指摘されています。

県の基本計画は、2024年7月に策定されましたが、報告書は2024年3月に提出されています。ただ、この基本計画の中では報告書に書かれていた野球場の規模、構造についての調査会社の見解や事業費の試算内容は明記されていませんでした。事業費は370億円のままになっていたわけなんです。

450億円という数字を記載しなかったことについて、県の担当者は「建設費は算出するタイミングによって変動するものであり、着手時期も明確になっていない中で、暫定の金額を出してもあまり意義がなく、混乱を生じさせると判断したため記載しなかった」とコメントしています。

最終更新日:2025年3月6日 19:27
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