【奮闘】あか牛を肥育し阿蘇の草原を守る「思うように牧草を食べない…」熊本の高校生の取り組み
2月、熊本市のレストランで開かれたあか牛の試食会。ローストビーフにステーキ。おいしそうな料理が並びます。
■試食した人
「肉のうま味が、本来の旨味がして非常においしいですね」
■試食した人
「香りと熟成のお肉に感動しました」
このあか牛を育てたのは、熊本農業高校の生徒たちです。そこには、阿蘇の草原と深い関わりがありました。
阿蘇に広がる美しい草原。放置すれば荒れてしまう中、あか牛が草を食べることや人の手による野焼きで再生を繰り返し、1000年以上守られてきました。しかし、野焼きの担い手や牛を育てる畜産農家が減り、維持が危ぶまれています。
この問題に、熊本農業高校の生徒が動き出しました。学校であか牛を育て、阿蘇で刈った牧草を与えることで草原の維持につなげたい狙いがあります。
■佐藤涼真さん(2023年8月・当時3年生)
「あか牛を使って肥育をすれば、 草原にも目を向けてもらえるし、あか牛にも目を向けてらえるので、草原を守るのと、あか牛の肉に価値を付けることが目的で、今回の肥育を始めています」
その名も「草原プロジェクト」。2年前、当時の3年生数人を中心に始まりました。あか牛の「なつき」です。食肉の生産が目的の"肥育"は、熊本農業高校では初めての試みです。
■上田龍征さん(2023年8月・当時3年生)
Qなつきの体重は?
「330キロないくらいです」
目標は2024年12月までに725キロまで育てて、出荷すること。去年、プロジェクトを始めた3年生が卒業し、下級生が引き継ぎました。
■犬飼一騎さん(2023年8月・当時2年生)
「自分も阿蘇出身で、少しでも自分の地元の関わりに貢献できて、あとは牛の肥育について学びたいと思って、この課題研究を選びました」
去年の春まで、なつきの体重は順調に増えていました。ところが、去年7月…。
■髙林誠士郎さん(3年生)
「何キロ?」
■犬飼一騎さん(3年生)
「体重が576キロ」