猛暑に欠かせぬエアコン カラダと財布に優しい使い方とは
連日厳しい暑さに見舞われている静岡県内。そんな中、欠かせないのがエアコンです。そこで、エアコンの節電術や普段の使用で注意すべき点などエアコンとの上手な付き合い方を取材しました。
26日も厳しい暑さとなった静岡県内。午前中から気温が上昇し、午後2時の時点で静岡市駿河区で36.3℃、浜松市天竜区佐久間で35.9℃、天竜で35.6℃を観測し猛暑日に。
静岡県内に発表された熱中症警戒アラートは7日連続となりました。
気象庁が25日発表した1か月予報によりますと、気温は平年より高く推移し、特に7月末からの1週間は10年に1度レベルの高温が予想されるとして警戒を呼び掛けています。
この暑さをしのぐのに今や欠かせない存在の一つがエアコン。
しかし街の人からはこんな嘆きも。
(30代女性 5人家族)
『(去年7月と比べて電気代が)3355円高くなっている。7月分1万円ちょっと。予想以上ですね』
(20代女性)
『どんどん電気代が高くなっている』
電気代の高騰です。7月の請求分から政府の補助金がいったん終了しました。
2024年から年金暮らしを始めた女性は
(60代女性 一人暮らし)
『なるべく自宅にいないようにするしかない』
『買い物時間を少し伸ばすとか、普段30分で済ますところを1時間から1時間半にするとか。外出をするようにしている』
また、こちらの女性は2023年より1万円ほど電気代が高くなったそうです。
(40代 会社員)
『子ども部屋とかつけっぱなしが多い、なるべく私が消して回っている』
『エアコンつける部屋はドア閉めるというのと(風量を)自動運転に必ずしておいて』
そう、実は「風量」を自動にするのは節電術の1つ。
空調メーカーによりますと、風量「自動」と「弱」でエアコンを稼働させた場合、「自動」の方が1か月で約990円分の節電につながるといいます。
またフィルターを掃除することで、しない時より電気代を約25%カットできるということです。
ここでエアコンに関する問題です!
部屋を涼しくしたい時に節電につながるのは?
A 設定温度を1度下げる
B 温度を変えず風量を「強」にする
街の人に聞いてみました。
(80代女性)
『Aです/温度を調節すれば、それだけ料金が安くなるから』
(30代女性)
『Bかな/温度を変える方が電気代に響いたりするのかなと』
空調メーカーの担当者に聞くと。
♪ダイキン広報 森重 雄己さん
『設定温度を1度下げるよりも風量を「強」にした方が節電につながりやすい』
正解は風量を「強」にする、でした。
日中の2時間で比較すると、風量を「強」にした場合、1度下げた時と比べ、消費電力は半分以下に。1か月で約570円分の節電になるといいます。
また、エアコンを使う上で注意が必要なことがあります。「クーラー病」です。
(女性(静岡市内))
『クーラー病・・・あまり聞いたことないかも。』
(女性(静岡市内))
『(聞いたことは)ないです。』
(女性静岡市内)
Qクーラー病ってワード聞いたことありますか?
『聞いたことあります。実際冷え過ぎちゃって調子が悪くなったりとか』
こちらの女性はエアコンによる体調不良に悩まされているそうで。
クーラー病とはどういうものか、医師に尋ねました。
(東静岡クリニック 白川京佐院長)
『今だいぶ猛暑が続いているので、暑い時間がある中でエアコン、室内のクーラーで、外との気温差が高くなると身体の不調、調整機能が失われて異常が出るような』
クーラー病は病名ではありませんが、自律神経の乱れによって起きる症状をいいます。
私たちの身体は普段暑いところに行くと血管が広がり、汗をかいて熱を出し体内の温度を下げますが、長時間エアコンの効いている部屋にいたり、涼しい室内から暑い外へ頻繁に出たり入ったりすると自律神経が乱れ、体温調整が難しくなってしまいます。
その症状は。
(東静岡クリニック 白川京佐院長)
『めまいであったりなんとなくの身体のだるさ。睡眠のリズムであったり、食後のだるさが含まれるかなと思います』
2024年もすでにクーラー病の影響とみられる体調不良者が大勢、受診しているといいます。では、どう対策すればいいでしょうか。
(東静岡クリニック 白川京佐院長)
「腹巻をするとかアームカバーをつけるとかそういったので対応できる」
対策で大切なのが体温調整。職場ではひざ掛けやカーディガンの使用。また、30分を目安にその場で身体を動かしたり、その場から離れるなどで身体を冷やしすぎないことが有効だと話します。
さらに自宅では。
(東静岡クリニック 白川京佐院長)
『シャワーだけで済ませず入浴してお湯につかるとか、半身浴で代謝を高める、自律神経の機能を回復させるような対策は必要かと思います』
夜寝るときの設定温度については。
(東静岡クリニック 白川京佐院長)
「温度設定は少し高めで風速を弱めて扇風機やサーキュレーターで風を回すのが比較的身体に負担が少ない」
人は睡眠時、日中に比べ血圧や脈拍数が低く代謝を抑えているため、昼間と同じ設定温度にしていてもより身体が冷えてしまうそうです。
白川院長はこれら対策を知ったうえでエアコンの活用を呼び掛けています。
(東静岡クリニック 白川京佐院長)
『クーラー病ってクーラーが悪いわけではないので。外気温が熱すぎるのがもともとの根本なので。まずそこの注意が必要なので熱中症対策、エアコンも適切に使っていただいて、身体の調節機能が損なわれないように睡眠をとったり栄養をとったり、暑すぎる環境、寒すぎる環境を避けてもらえればいいと思います』
夏を乗り切るためには欠かすことでできないエアコン。
お財布にも、身体にも優しい上手な付き合い方をしていきましょう。