本マグロがより身近に!? 漁獲枠拡大が決定 釧路で開催の国際会議 関係者からも歓迎の声
気軽に手に届く魚になるかもしれません。
北海道釧路市で開かれたクロマグロに関する国際会議で、大型マグロの漁獲枠を1.5倍にする案に合意しました。
地元の漁師からは喜びの声が上がっています。
クロマグロの赤身と中トロがふんだんに盛り付けられたどんぶり。
(山﨑記者)「赤身の濃厚なうまみとほどよくのった脂が口いっぱいに広がります」
提供しているのは、札幌市南区にあるマグロの専門店です。
100グラムあたり1000円ほどの天然のクロマグロが並びますが、国内の供給量の減少などで、ここ数年のうちに2割ほど値上げしたといいます。
しかし、ある期待が高まっています。
(本まぐろ直売所 猪熊健嗣さん)「全体的な数量が増えることによって、少しずつ金額も落ち着いてくるのかなと期待を込めています」
その理由は、16日まで釧路市で開かれていたクロマグロに関する国際会議。
日本のクロマグロについて、30キロ以上の大型は今より1.5倍、小型は10%、漁獲枠を増やす案に合意したのです。
マグロの産地として知られる道南の松前町では…
今月からマグロ漁が始まり、17日朝も続々とクロマグロが引き上げられていました。
(記者)「どのくらいとれたんですか?」
(漁師)「きょうは10本」
(記者)「こんなにとれるんですか?」
(漁師)「とれるとれる」
しかし、漁師にとっては手放しで喜べない現状が続いていました。
(松前まぐろ延縄部会 堀川真治部会長)「漁獲枠を超えることはできないので、きょうみたいな大漁の日でも次の日は休まないといけない」
天然のクロマグロは乱獲などで資源量が減ったため、2015年から漁獲量が制限されています。
松前では、2024年の漁船1隻あたりの漁獲量はおよそ2トンに制限されていて、すでに2、3回の出港で漁を終えてしまった漁船も少なくないといいます。
(松前まぐろ延縄部会 堀川真治部会長)「本来であればスルメイカ漁に出るんですが、スルメイカの減少で燃料代にもならないような感じ。出ても赤字になるので、休んだ方がいいとなっている」
こうした規制の結果、ここ数年で資源量が回復傾向になったため、16日の国際会議で漁獲枠拡大の合意に至ったのです。
(漁師)「(漁獲枠は)増えた方がいい」
(記者)「いままでどうでした?」
(漁師)「少ないさ、全然」
(記者)「漁獲枠が増えることは?」
(漁師)「悪くはない。いいこと」
漁獲枠の拡大について、専門家は望ましい方向だと評価した上で「価格は安くなるだろう」と指摘しています。
高級食材として人気のクロマグロ。
漁獲量が増えれば、今より手が届きやすい存在になりそうです。