子どもの入院付き添い家族を支援したい…たどりついたのは“お弁当” 札幌・綿谷千春さんの活動
子どもの入院に付き添い、病院で寝泊まりする家族。
食事や睡眠がままならないなど厳しい環境に置かれています。
そんな家族を少しでも支えようと、無償で手作りのお弁当を届ける活動を取材しました。
(綿谷千春さん)「ひとつ持って行ってください」
(母親)「すみません、いただきます」
2024年4月、入院する子どもに付き添う家族のもとへお弁当が届けられました。
札幌市手稲区にある小児専門の病院です。
お弁当を届けたのは綿谷千春さんです。
綿谷さんは4年前、付き添い入院を経験しました。
長女の優日さんが血液のがん「急性リンパ性白血病」で入院したためです。
8か月に及ぶ付き添い生活で直面したのが「食事の問題」です。
(綿谷千春さん)「病棟内にある売店かコンビニ一択、買うとなると。中に入った人しか分からないと思うけど、本当に必要なんです。毎食じゃないけど、月に何回か届く、人が作った手料理を食べてもらいたい」
綿谷さんの団体によるアンケートでは、家族のおよそ80%がコンビニの弁当などで食事を賄っていたと回答しました。
栄養バランスの偏りを訴える声も多く、家族の最低限の健康が守られていないことが分かりました。
綿谷さんからお弁当作りを依頼された石綿仁美さんです。
発酵調味料など、からだに良い食材を使って作った、いろどりランチBOXです。
(石綿仁美さん)「きっとご苦労されているんだろうなとか、自分だったらこういうのがいいかなとか、おいしく楽しく、見て「わっ」ってなってもらえたらうれしいなという思いで詰めています」
綿谷さんは寄付金などを集めながら「無償」でお弁当を届ける活動を続け、4年目で配達する病院を3か所まで増やすことができました。
お弁当を受けとった母親の中には、感謝のあまり涙する人も・・・
(約20日間付き添う母親)「毎日レトルト食品で食いつなぐ感じなので、本当にすぐ応募しようと思いました。うれしくて」
(約2週間付き添う母親)「付き添い入院をしていると、自分の体の健康のこととかも気が回らないので、もっと広がってくれたらうれしいなと思います」
(綿谷千春さん)「付き添い家族の環境が変わらなきゃいけないのはもちろんなんですけど、とにかく事実を知ってもらうことかなと思う。札幌・北海道ではうちの団体が付き添い家族からの声を直接聞けるので、必要なことはやりたいし、とにかくホッとしてもらいたい」
厳しい環境に置かれた子どもの付き添い入院。
看病を続ける家族へのサポートが求められています。