イカ減少の函館を救うか?驚きのカツオ豊漁に沸く「刺身定食」道南ではやくも人気に…でもなぜ?
北海道ではあまりなじみのないカツオが、いま函館で豊漁です。
海の異変でイカの漁獲量が減少する中、新たな名物となるのでしょうか??
午前5時半、函館市の港に戻ってきた漁船から下ろされたのは、北海道でおなじみのイカでもサケでもなくー
大量のカツオです。
(漁師)「きょうは300~400キロ程度。海が変わったなって」
(記者)「サケは獲れている?」
(漁師)「いや、ほとんど皆無、きょうも1本くらい」
漁師たちが感じる海の変化…
それは水揚げされる魚の種類に現れています。
(東海林記者)「函館市の南茅部地区では、これまで獲れていなかったカツオが連日水揚げされています」
南かやべ漁協によりますと、8月31日ごろから連日、数百キロのカツオが獲れるようになり、すでに10トンものカツオが水揚げされているといいます。
研究所が発表しているカツオの漁場予測です。
海水温などの条件から、カツオが分布「しやすい」場所を色付きで示しています。
2024年の予測を見てみると、カツオの分布域は2023年よりも函館周辺に近づいていて、沖合から函館沿岸に回遊しやすい状況だった可能性があります。
水揚げされる魚の変化に漁業関係者が頭を悩ませている一方、専門家は、その時々に獲れた魚をおいしく食べることが水産業を守ることにつながると話します。
(北海道大学大学院水産科学研究院 高津哲也教授)「カツオが今回みたいに獲れた、最近北海道はブリも結構獲れています。水温が高い時期もあれば低い時期もあるので、漁師さんたちも入ってくる魚に応じて、漁獲対象種をうまく変えていくということを工夫されている。消費者の方も、サケが獲れないならほかの魚を美味しく食べる工夫をしながら、上手く利用していくというのが、最終的には日本の水産業や沿岸漁業の人たちの生活を守ることになる」
この日、市場にはさっそく“函館産のカツオ”が並んでいました。
さばいてみると、脂の乗った赤身が!
店では「はこだてかつお」の名前で刺し身も販売されました。
(客)「初めて食べるけど人気なものだから。楽しみです」
地元の飲食店でもカツオが新メニューとなって登場!
水揚げされたばかりのカツオを使った「刺身定食」です。
新鮮な赤身が食欲をそそります。
客からは注文が相次ぎました。
(客)「たたきとは違う味。新鮮な感じ」
(客)「うまい。この辺に水揚げされてここで食べられるのはなかなかない」
(えみちゃんの店 笑和 堀川絵巨さん)「イカも高いですし、何も獲れない状態で、函館は海のマチなので獲れてくれた方が私たちは助かる」
突然獲れ始めたカツオに沸く函館のマチ。
漁獲量が減少するイカに代わり、今後はカツオのブランド化が進むかも?!しれません。