「高すぎて…」札幌の住宅価格高騰が曲がり角? 金利・建材価格に悲鳴 企業が打ち出す対抗策も
マンションや住宅の価格高騰は曲がり角にきているのかもしれません。
専門家は「高くなりすぎて買い控えが進み、売る側も価格を抑えてきている」と指摘します。
先週土曜日から公開が始まった分譲マンションのモデルルームです。
3年前に閉館したスーパー銭湯・極楽湯の跡地に建てられたマンションで、札幌駅や大通エリアが徒歩圏内!
周辺は閑静な住宅街という好立地です。
間取りは2LDK~4LDKで、販売予定価格は5000万円から9000万円台となっています。
販売する不動産会社が狙う購入者層はというと…
(大京 藤岡寛祐さん)「ターゲットはディンクス、共働き夫婦です」
ディンクスとは、世帯年収が高いといわれる共働きで子どもがいない夫婦です。
不動産会社によると、販売は6月上旬からですが、問い合わせはすでに400件を超えていて、想定を上回る関心を集めているそうです。
専門家によりますと、いま札幌の分譲マンションの販売に異変が起きているといいます。
(不動産アナリスト 志田真郷さん)「タワーマンションが落ち着いて、非常に値段の高いものが減ったので、平均値が下がった」
再開発をきっかけに、億単位のタワーマンションなどが過熱していた札幌ですが、去年の札幌市のマンション販売戸数は1543戸。
前の年に比べると22.0%減少していて、平均価格も5000万円を下回りました。
(不動産アナリスト 志田真郷さん)「買えない価格になってきている。買う側も買い控えている傾向。売る側も一戸の面積を小さくして1LDK・2LDK、大きくても3LDK。面積調整をすることによって価格調整が進み始めている」
一方、こちらは札幌市内の住宅展示場です。
いまのうちにと住宅購入を検討する人たちが訪れていました。
先月、日本銀行がマイナス金利政策を解除したことを受け、これから住宅ローンの金利の上昇が予想されているのです。
(一戸建て購入を検討する人)「金利がこれから上がっていくだろうというのを踏まえて早く決めようっていう。(金利が)安いうちに買いたい」
住宅の購入を検討している人にとっては、建設資材の高騰に加え、金利上昇の不安がのしかかります。
住宅メーカーでも購入の決め手にと対抗策を打ち出していました。
(土屋ホーム 石田真也さん)「高断熱・高気密でランニングコストがかかりにくい住宅。光熱費がかかりにくいおうちになります」
入居後に光熱費を節約できるということをアピールです。
専門家は、マンションや住宅の価格の高騰については、今後落ち着きを見せるのではないかと予想します。
(不動産アナリスト 志田真郷さん)「この先、建設費が上がり気味で新規に着工すると(価格が)高くなる。金利が上がるとなると買う方は返済額が増える。供給側がかなり(価格を)抑え気味になっている」
景気の動向が左右する住宅市場。
購入にはタイミングの見極めが重要となっています。