弁護士とのやりとり記した“被疑者ノート” 道警が持ち去る 「権利侵害」と賠償命令 札幌地裁
札幌市で3年前、逮捕された女性が弁護士とのやりとりを書いたノートを道警が無断で持ち去ったのは違法だなどとして損害賠償を求めた裁判で、札幌地裁は女性の訴えを一部認め、道にあわせて25万円を支払うよう命じました。
この裁判では、札幌市北区の20代の女性が2021年6月、当時2歳の長男を監禁したとして逮捕され、その後、不起訴となりました。
女性は勾留中、弁護士とのやり取りを記した「被疑者ノート」を道警に15分間持ち去られたほか、取り調べでも黙秘権の侵害があったとして、道警を管轄する道におよそ160万円の損害賠償を求めています。
3日の裁判で札幌地裁は、「被疑者ノートの持ち去りは黙秘権を侵害した」と認め、道に対して原告側にあわせて25万円を支払うよう命じました。
一方、「警察官らの取り調べ行為に違法性を認めることはできない」として、一部の請求の訴えをしりぞけました。
(弁護団)「取り調べの違法について認められなかったのは残念」
裁判を受け道警は「判決内容を精査し、対応を検討して参ります」とコメントしています。