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あの手この手のオーバーツーリズム対策…「私有地立ち入り」が急減した“秘策”とは 北海道

2025年2月21日 18:39
あの手この手のオーバーツーリズム対策…「私有地立ち入り」が急減した“秘策”とは 北海道

オーバーツーリズム対策が急務となっています。

外国人観光客の増加に対応しようと、あの手この手の対策が始まっています。

札幌近郊の観光地・小樽市の銭函。

海辺には冬でも多くの観光客が訪れています。

(中国からの観光客)「海岸がとても美しいので旅行できました。写真を撮ります」

(中国からの留学生)「北海道は中国でもめっちゃ流行っていて旅行する人も多くて一度来てみたいなと」

そうしたなか…

(山岡記者)「いま私有地に立ち入って向かい側にある海岸に向かおうとしています」

2025年2月21日も私有地を無断で歩いたり、写真撮影をする人の姿がー

外国人観光客のマナー違反がいま大きな問題となっています。

小樽市では1月、朝里駅構内の線路内で写真撮影をしていた中国籍の女性が列車にはねられ死亡する事故も発生。

対策が急がれています。

(山岡記者)「外国人観光客でにぎわう銭函ですが、『車道に立って写真を撮らないでください』などという標識を掲げ、注意を促す取り組みが行われています」

銭函駅周辺で行われたのは観光庁の実証事業です。

スタッフがマナー違反を示したピクトグラムを持ってアンケートを実施。

外国人観光客にイラストの意味がわかるか聞き取りながら、効果的な掲示場所を検証します。

(オーストラリア人の観光客)「とてもいい考えです。いつも道路(私有地)を歩く人を見かけるから。禁止行為の確認のためアンケートを見せるのはいいこと」

この実証事業は22日にも朝里駅で行われ、今後は本格的な活用に向けて検討が進められます。

(スタッフ)「掲示する前は3割くらいが(私有地の)中に入ってしまったんですが、掲示してからは皆さんこれを見て入らずに通っていった」

JR北海道も対策を強化しています。

朝里駅など9つの駅で駅ホームに警備員を配置したほか、登別駅などでは通訳案内のスタッフを増やしました。

(JR北海道 綿貫泰之社長)「せっかくの観光で不幸な事故が起きないように、徹底的に取り組んでまいりたい」

道内各地で深刻化するオーバーツーリズム。

美瑛町では1月、観光客に人気のシラカバ並木が伐採される事態にまで発展しました。

外国人観光客で賑わうクリスマスツリーの木の前でマナーを守るよう呼び掛けているのは、旭川市の写真家・齋藤孝博さんです。

農地などに入らないよう書かれた5種類のフォトカードを配布。

裏には町内の風景写真も印刷されています。

(美瑛の丘を愛する会 齋藤孝博会長)「景観は守らないといけないなとつくづく思う。シラカバ並木みたいな素晴らしい風景がなくなったら皆さんがっかりされて、ほかの木は大丈夫か、ほかの丘は大丈夫かとメッセージをたくさんいただいた。小さな一歩だけど何か行動しなきゃいけないとこういうことを始めた」

マナーを守って安心安全な観光をー

オーバーツーリズム対策が各地で進められています。

最終更新日:2025年2月21日 19:48