新紙幣の発行近づく 新1万円札の“顔”「渋沢栄一」 期待の一方で困惑も ゆかりの場所は期待感 飲食店は対応に追われ 《新潟》
ことし7月、20年ぶりに新しくなる“お札”についてです。
新1万円札に描かれるのは実業家の渋沢栄一。
新潟県内のゆかりの場所では盛り上がりを見せています。一方、新紙幣の発行まで1か月を切る中、飲食店は対応に追われています。
絢爛豪華な建物には歴史が刻まれています。
新発田市出身の実業家、大倉喜八郎の別邸「蔵春閣」です。
1912年に建てられ去年、東京から新発田市へ移されました。
ここをたびたび訪れていた人物が……渋沢栄一です。
◆国内の重要な建築物に携わった渋沢栄一
実業家の渋沢栄一です。
「近代日本経済の父」と言われ、大倉喜八郎ともに帝国ホテルなど国内の重要な建築物に携わりました。
県内でも北越鉄道や新潟商業、また旧北越銀行などの創業に関わっています。
〈蔵春閣 大関正彦 副館長〉
「渋沢さんがお札になるということで、偉大な方ですので非常に楽しみにしています」
◆新1万円札の顔に渋沢栄一
7月3日に発行される新紙幣。
その新しい1万円札の顔として選ばれた、渋沢栄一。
〈蔵春閣 大関正彦 副館長〉
「この辺に輪ジミが残ってますけど、月をみながら座って飲んでおられたのかなと」
春には蔵春閣の大広間で酒を酌み交わしながらサクラを眺めていたといいます。
〈訪れた人〉
「私たちが想像もできないような何歩も先の話をされたと思います。1万円札を見たらにっこりしましょう」
◆街の活性化へ期待
〈蔵春閣 大関正彦 副館長〉
「発行されればよりクローズアップされると確信していますので、街めぐりが非常に活発化するんじゃないかと大いに期待しています」
期待の声が聞かれる一方、嘆きの声も。
(リポート)
「飲食店などでよく見かけるこちらの券売機ですが、いま、新紙幣への対応に追われているということです」
新潟市中央区にあるラーメン店です。営業する上でかかせない券売機……。
◆券売機の交換費用は
7月、新紙幣対応の機械に交換するといいます。その費用は…
〈手仕事らぁめん八 吉田武史さん〉
「1台260万ほどする」
実にラーメン2800杯分です。
小麦粉や煮干しなど原材料が値上がりし、“物価高”に悩まされているといいますが、そこに加え、券売機の交換費用が大きな負担になっていました。
〈手仕事らぁめん八 吉田武史さん〉
「グループ店も4店舗ありまして、それを全部総入れ替えすると総額1000万超えになる。麺に使われる小麦がまず第一。魚も倍くらいに値上がっていて、物価高にもなっていて、ダブルパンチの感じですね」
◆「貨幣は経済の根幹」
20年ぶりに刷新される新紙幣。
新たな偽造防止技術として傾けると小さな図柄が変化する「3Dホログラム」技術を世界で初めて採用されています。
〈日本銀行新潟支店 平形尚久 支店長〉
「貨幣は経済の根幹皆様が安心してお金を使っていただけるように、流通をするように我々としては努力していきたい」
期待に……困惑。新紙幣をめぐってさまざまな思いが交錯します。