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備蓄米の放出 価格は下がる?農家「一時的なものになるのでは」購入は早くて3月下旬 大分

2025年2月21日 18:33
備蓄米の放出 価格は下がる?農家「一時的なものになるのでは」購入は早くて3月下旬 大分

お米の価格高騰についてです。農水省は先週、価格を安定させることを目的に備蓄米を放出すると発表しました。これでお米は安くなるのでしょうか。

大分県内の米穀店や農家の反応を取材しました。

◆江藤拓農水相
「とにかく今は正常な状態では無い。正常な状態で無いものを正常な商取引の水準に戻すために備蓄米の放出をする」

農水省が先週発表した備蓄米の放出。本来は不作や災害に備え政府が準備しているものですが今回、コメの流通量を増やし、価格を安定させることを目的に21万トンを初めて放出します。

2024年夏ごろに問題となった「令和のコメ騒動」。新米が出るころには落ち着くのでは、とも言われていましたが…。
農水省が発表しているスーパーでのコメの販売価格の推移を表したものでは、2024年夏ごろから価格が上がり始め、2月は5キロあたり3829円。

1年前と比べて、1800円以上も高くなっています。

要因の1つとして普段取引に参加していない業者がコメの価値が上がると見込んで投機や転売目的で参入し在庫を抱えていると指摘する声もあります。

◆山路謙成記者
「こちらの米穀店では個人用や業務用の米を販売しているが、買いだめを防ぐため購入者には消費出来る分だけ販売している」

大分市のこちらの店では今シーズン、コメの仕入れ量が前の年の1割ほどにまで激減、得意先の農家に県外の業者が高値で買い付けにきて仕入れ量が減ったそうです。

店主の山川さんは今回の備蓄米の放出について。

◆山川米穀店 山川富弘さん
「初めてのことなのでいろんな感覚が沸かないのが事実。ただ(備蓄米を)出すことを決めてくれたことに対してすごく感謝している」

◆山川米穀店 山川富弘さん
「(価格は)下がるのではないかという期待は持っている」

「ひょっとしたら(在庫を)握っている人が出すのではないかと、私はそのように考えている」

一方こちらは由布市のコメ農家です。

価格高騰の中でも燃料費の高騰などもあり収入は30年間ほとんど変わらないといいます。

備蓄米の放出で期待される価格の値下がりについては一時的なものになるのではと話していました。

◆やまじファミリーふぁーむ 山路一寛代表取締役
「政府が(備蓄米を)放出しても結局価格は入札で決められるから。流通の関係をもう少し改善しないと消費者も(負担を)強いられるし、コメ農家も潤うことはない」

備蓄米が店頭に並ぶのはいつごろになるのでしょうか。今後のスケジュールについて詳しく見ていきます。

今回、国が放出する21万トンの備蓄米のうち初回の15万トンについては、3月上旬に入札が行われ、中旬ごろには集荷業者に引き渡される予定です。

その後、卸売り業者を通じて流通するようになるため、スーパーなどの店頭に並び、消費者が手にすることが出来るのは早くても、3月下旬ごろになる見込みです。

国は、売り渡し先に対し、金額や販売状況を報告するように義務付ける方針で、備蓄米がきちんと流通するよう確認するとしています。

今回の備蓄米の放出で米の価格が安定していくのか、今後の動向が注目されます。

最終更新日:2025年2月21日 18:33
    テレビ大分