新たな届け方 プリンターで新聞を配信 「小さいので見にくい」「絵ははっきり」実証実験始まる 大分
私たちの家庭に配達されてくる新聞。しかし、配達員の不足などで、毎朝の配達が難しくなっている地域があります。
こうした問題を解消しようと、新たな新聞の届け方の実証実験が始まっています。
大分県臼杵市にある、大分合同新聞の販売店です。近年、課題となっているのは配達員不足です。
ーー野津中央プレスセンター 姫嶋尚所長
「(募集への)問い合わせはあまりない。スカウトしにこちらから出向いて、話をしてみる状況が多い」
配達員を集めることが難しく、毎朝の新聞配達は年々厳しくなっているといいます。
実際に新聞配達が困難になっている地域に住む、柴田栄一さんです。
販売店から遠く、契約世帯数が少ないことから、新聞は毎朝配達されず、昼ごろに郵送で届けられています。
そんな状況の解決につなげようと、柴田さんの家では新たな試みが行われています。
玄関に置かれているのは、一見、普通のプリンターですが、朝6時になると…印刷されて出てきたのは、新聞の紙面です。印刷は毎朝自動で行われ、約10分で完了します。
大分合同新聞社では、配達をしなくても新聞を毎朝各家庭に届けようと、プリンターなどを製造する名古屋のメーカーと協力して、この実証実験を6月6日から始めています。
ーー柴田栄一さん
「活字は小さいので見にくいですけど、普通の新聞よりも絵なんかははっきり(見える)。朝早いのが一番メリットあると思う」
印刷される新聞はA3サイズのため、通常のものよりも一回り小さいものの、以前よりも早く、記事を読むことができるようになりました。
大分合同新聞社では、パソコンやスマートフォンなどで記事が読める、デジタル版の配信も行っていますが、依然、紙へのニーズは根強いと話します。
ーー大分合同新聞社販売管理部 都留広之部長
「特に高齢者の方からは、まだまだ紙がいいという声も聞かれる。新聞配達、タブレット、新たな第三の紙面を届ける方法を今、模索しているので、今回(実証実験を)やった」
実証実験は、今後も大分県内の離島や山間地などで行い、実用化を目指していくということです。
ーー大分合同新聞社販売管理部 都留広之部長
「紙であろうが、デジタルであろうが、皆さんに正確な情報を届けていくために、今回さらに一つ手段ができるんじゃないかと期待はしております」
県民に正しい情報を伝える新聞の役割を、これからも果たすため、新たな届け方の模索が続けられています。