親子強盗殺人で大分地裁44年ぶりの死刑判決 無罪主張の被告に「不合理な弁解」
2020年、宇佐市で起きた強盗殺人事件の裁判員裁判で大分地裁は2日、被告の男に対し、死刑を言い渡しました。
大分地裁での死刑判決は44年ぶりで裁判員裁判では初めてです。
強盗殺人などの罪で死刑判決を受けたのは大分市の会社員・佐藤翔一被告39歳です。
判決によりますと、佐藤被告は2020年、宇佐市安心院町の住宅に侵入し、住人の山名高子さん79歳と長男の博之さん51歳を殺害し、現金少なくとも5万4000円を奪ったとされています。
これまでの裁判で、佐藤被告側は一貫して無罪を主張していましたが、検察側は死刑を求刑しました。
2日の判決公判で辛島靖崇裁判長は主文の読み上げを後回しにしました。
その上で、「被告が犯人であると優に認められる」「不合理な弁解を続け、反省の態度を示していない」などと指摘し、検察の求刑通り死刑を言い渡しました。
大分地裁での死刑判決は1980年以来44年ぶりで2009年から始まった裁判員裁判では初めてです。一方、弁護側はきょう控訴する方針です。
裁判を傍聴したTOSの児玉直輝記者は、
「判決が言い渡された瞬間、これまで通りのスーツ姿で白いマスクを着けた佐藤被告は微動だにすることなくじっと裁判長の方を見つめていました。
閉廷後はゆっくりと立ち上がり軽く頭を下げた後、法廷を後にしました。
初公判から振り返ると佐藤被告は終始落ち着いた態度で裁判に臨んでいたと感じます。
被告人質問の際には「遺族が本当の犯人を目の当たりにできていないことは不幸で残酷」と発言するなど徹底して無罪を主張し続けました。
被告人の弁護人は死刑判決について「想定していた中で最悪の判決だった」と話しています。
一方、裁判に参加していた被害者遺族の中には死刑判決が出た時、涙ぐんでいる方もいました。」とリポートしました。