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自民前職これまでにない危機感抱いた選挙戦 衆院選山形3区

2024年10月31日 20:05
自民前職これまでにない危機感抱いた選挙戦 衆院選山形3区

YBCのカメラが見つめた衆院選県内小選挙区の戦いを振り返ります。山形3区の選挙戦。裏金問題などによっていわゆる「加藤王国」に吹いた「逆風」。自民・前職はこれまでにない危機感を抱きました。

山形3区は事実上、自民党の加藤鮎子さんと立憲民主党の新人石黒覚さんによる争いとなりました。

4回目の当選を目指す加藤さん。

加藤鮎子氏「よろしくお願いします」「お久しぶりでございます」「こんにちは。誰だろうって感じかな」

選挙戦序盤ー。岸田内閣でこども政策担当大臣を経験し、国政での経験を積み上げる一方、その間、地元に戻ることができなかった影響を肌で感じていました。
そして、裏金問題を巡って吹いた「逆風」。

加藤鮎子氏「接戦という言葉を見て本当に申し訳なく思いました。申し訳ない。私が充分に地元の皆さんにやらせていただいている仕事の説明をきちんとしてこなかったからだと思う」
「私の話を聞いたことが無かったり接点が少ない人たちはメディアであふれている様々な情報を見て心のない言葉をかけてきたり、親指を下に向けて車で通りすがったり、怒りを感じているのがよく感じている。二極化していると思います」

一方、出馬表明は公示のわずか2週間余り前と直前となった石黒さん。

石黒覚氏「自分たちの懐が肥えていけばいいような日本の政治に皆さんのお力をお借りして新しい政治の幕が開くということを信じて戦って参ります」

演説に聞き入る聴衆を前に、自民党への逆風を自身への追い風に感じていました。

石黒氏「ありがとう!」中学生「がんばってください!」
石黒氏「酒田3中野球部!よーし、甲子園を目指してがんばれー!」中学生「ありがとうございます」

危機感を抱いた加藤陣営。
幅広い世代に声が届くよう街頭に立つ回数を増やしました。

選挙戦終盤ー。
党本部からは抜群の知名度を誇る小泉進次郎さんが応援に駆け付けました。

小泉進次郎氏「中学生?中学生もいるの中学生、高校生、こちらも高校生。一番奥もこんなにいっぱいさすがこども大臣ですね」

最後の街頭演説。会場には子どもを連れた家族連れの姿も多く見られるようになっていました。

加藤鮎子氏「最初の逆風に比べていま大変温かい支援・声援をいただくようになった。地域の皆さん方のお声がけがあのどんよりした空気を払拭してくれて、この2週間で手を振ってくれる方の数が変わってきました。本当にありがとうございます」

結果は加藤さんが3万票余りの大差をつけて4回目の当選。

一方、石黒さんは比例復活も叶いませんでした。出遅れが最後まで響き、地元の酒田・飽海以外での知名度不足を解消できませんでした。

石黒覚氏「私の不徳の致すところでこの様な結果になりましたことは、改めまして心よりお詫びを申し上げながら皆様と一緒にまたこの国の政治が正しい方向に向いて行くようにこれからも力を合わせて行ければと思っています。この度は本当に申し訳ありません。そして大変ありがとうございました」

選挙期間中、山形3区でも注目されたのは吉村知事の動きです。
両陣営を激励に回りました。

吉村知事「比例復活ということでもう3人上がってくれると6人誕生するわけです。代議士の数が多ければ多いほど山形県の声を届けることができるようになるし”あったかい国会”になるのではないかと思います」

知事選などでは対立関係にあった加藤さんの事務所ではー。

吉村知事「お父様の跡を継いだということは重いと思っています。紘一先生も天上から見守っていてくれていると思いますのでしっかりと長くやっていただいて政権の中枢になっていただくのは山形県民の思いなのではと。(握手して)将来は紘一先生のように頑張ってください」

加藤鮎子氏「吉村知事からは今後の復旧・復興に向けた切実な思いを添えながらの応援のエールをいただいたと思っている。そこは思いが共通していますのでしっかりと被災者の方、被災地をしっかり復旧・復興に汗をかいてくださっている皆様方と一緒に市町村そして県、国と連携を取りながら早急に進めていきたいと思っている」

組織の盤石な強さを見せた加藤さん。

一方、石黒さんは追い風を当選に結びつけることができませんでした。

石黒覚氏「我々の立憲民主党県連の普段の活動の弱さが出たのではないか」

県内では、告示まで3か月を切った知事選、そして来年夏の参議院議員選挙と政治決戦が続きます。山形3区の結果は非自民系勢力に強い組織態勢づくりの必要性を突き付けました。

最終更新日:2024年10月31日 20:05