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酒田市特産の「刈屋梨」21日から出荷 浸水被害で収量減少見込みもおいしい実が育つ

2024年8月20日 18:21
酒田市特産の「刈屋梨」21日から出荷 浸水被害で収量減少見込みもおいしい実が育つ

酒田市では7月の記録的大雨で畑に浸水被害が出た特産の和梨「刈屋梨」の目ぞろえ会が20日開かれました。生産者の組合は水に浸ってしまった実を出荷しないことを決め、平年よりも出荷量が3割ほど減る見込みです。

「刈屋梨」は、酒田市刈屋地区を中心に栽培されている特産のブランド和梨で21日今シーズンの出荷が始まります。
収穫期を目前にした7月、刈屋梨畑は大雨で大規模な浸水被害が出ました。
JA庄内みどり刈屋梨出荷組合に所属する農家の畑は合わせて31ヘクタールありますがそのうち3割にあたる9.4ヘクタールの畑は今シーズンは収穫が難しい状況だといいます。

JA庄内みどり刈屋梨出荷組合 佐藤尚人組合長「畑に土砂がかなり流れ込んだ畑もあるし、ひどいところだと梨の棚がつぶれたりした畑もあるのでどのくらいその畑から梨がとれるかまだはっきりとわからない状態」

出荷組合の組合長、佐藤尚人さんは所有する7つの畑のうち2か所が浸水しました。20日午後、被害がなかった畑を訪ねてみると主力品種「幸水」が10センチほどの大きさに実を付けていました。

佐藤組合長「去年は小ぶりだったが去年よりは1ランクかそれ以上の玉伸びになっている。本当にことしは上作(豊作)が期待できたがとても残念な収穫になるような気がしている」

刈屋梨の出荷量は例年125トンから150トンほどですが、JA庄内みどりは今シーズンは105トンほどに落ち込むと見込んでいます。
21日からの出荷を前に梨の出荷基準を確認する目ぞろえ会が開かれました。組合は消費者に安心して食べてもらうため大雨で水に浸り、泥をかぶった梨は出荷しない方針です。

佐藤組合長「生産者としてはいままで一生懸命作ってきて出荷できないというのは本当につらいと思うが、安心して買ってもらうためにそのように決めました。いつもどおりおいしい梨にできあがっているので出荷組合の梨を安心して購入いただければうれしく思う」

佐藤組合長は流れ込んだ土砂の影響で収穫用の農業機械を入れられないなどの不安が残るといいます。しかし、出荷できる梨は質が高く、大雨による減少分を少しでも補いたいと話しています。