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山形市のハウスメーカーの施工不備 新たに600棟近く 住宅に住む男性「納得できていない」

2024年3月14日 18:34
山形市のハウスメーカーの施工不備 新たに600棟近く 住宅に住む男性「納得できていない」

山形市のハウスメーカーが建築・販売した戸建て住宅で多数の施工不備が発覚し、現在、県内外の2500棟が調査対象となっている問題で、これまでの調査で新たに600棟近くに施工不備があったことがわかりました。調査はまだすべての住宅では行われておらず、今後さらに増えると見込まれています。

この問題は、山形市のハウスメーカー「クリエイト礼文」が建築・販売した戸建て住宅で、国土交通大臣認定仕様として定められた断熱材や石膏ボードを屋根裏部分の外壁の内側に取り付けず、建築基準法に抵触する可能性のある施工不備があったものです。
国土交通省の指示でメーカーが去年12月までに322棟を調べたところ、320棟で施工不備が確認されました。不備の可能性があるのは、建築基準法の規定が現在のものに変更された後の「2000年7月」から社内で不備が発覚した「2020年11月」までの20年余りの間に引き渡した戸建て住宅です。調査対象の住宅は県内のほか、宮城県など東北・関東含め7県あわせて2500棟に上っています。国交省などによりますと、3月8日現在、2500棟のうち579棟で調査が完了し、ほぼすべての578棟で施工不備が確認されたということです。
さらに、フランチャイズに加盟する事業者が建てた住宅でも数十件の不備が見つかっているということです。
YBCは、施工不備があったクリエイト礼文の住宅に住む男性に話を聞きました。

男性「今回の件はネットニュースで知った。家は自分としては一番大きな買い物。もう住んでしまってからこういう…買った側としては非常に重大な欠陥じゃないのかなと」

こちらは、男性の住宅の屋根裏部分の映像です。本来なら断熱材や石膏ボードが覆っている部分は、施工不備によって木の板がむき出しになっています。クリエイト礼文は対象の住宅全戸での調査と施工不備があった場合は改修工事を行うとしています。男性の場合は工事が必要な場所は家族の寝室部分で、調査を行った担当者からは工事に3日かかると告げられたといいます。

男性「自宅で生活をしている中で工事をする…たかが数日と言われてもうちとしてはプライベートな空間に入ってくることにも抵抗があるし、そもそもしっかり作っていればこういう工事は必要ないはず。納得できていないところがまだある」

男性によりますと、クリエイト礼文による調査の際、設計図には記載されていた火災報知器が、実際には設置されていない別の施工不備も発覚したということです。
メーカー側はミスを認め謝罪したものの、男性は不信感が募ったため、改修工事を進めていないといいます。

男性「工事するには部屋も片付けなければならないし工事中、留守にするわけにはいかないので仕事を休まなければならずこちらにも実費がかかる。工事だけというそういう考えについてもどうかなと思う」

こうした中、県は「対象の住宅の調査に時間がかかっている」として、県内分の調査を5月初めごろまでに完了させるようクリエイト礼文側に求めたということです。クリエイト礼文の担当者は、YBCの取材に対し「調査は家主の都合などで土日に希望が重なってしまうことが多い。また、1軒当たり1時間半ほどを要するため時間がかかっている」としています。