「みたまの湯」来館500万人を達成 一方で存続危機の施設も…市川三郷の公営温泉で明暗 山梨
開館20周年を迎えた人気の公営温泉、市川三郷町の「みたまの湯」が26日、来館者数500万人を達成しました。一方で町内のもう一つの公営温泉は存続の危機を迎えていて、明暗が分かれています。
「おめでとうございます!」
市川三郷町大塚の高台にある温泉施設「みたまの湯」で500万人目の来館者となったのは、静岡県富士市から訪れた70代の佐藤さん夫婦です。2人には遠藤浩町長から、町特産の手彫りのハンコや線香花火などが贈られました。
500万人目の来館者となった佐藤正雄さん
「『母さん、たまには風呂にでも行くか』と(富士市から)1時間20分くらいで来る。甲府の街が一望できて、あちこち歩いたがここが一番いい。最近では」
みたまの湯は2004年7月にオープン。植物由来で赤褐色のお湯「モール湯」や湯舟からの眺望が人気を呼び、開館4年後には来館者数100万人を達成。現在も年間25万人が訪れます。
来館者数500万人の達成はコロナ禍で半年ほど遅れた一方、新型コロナが5類に移行された去年は過去最多の来館者を記録しました。施設によりますと、利用者の6割が近隣県から訪れた人で、財政難に直面する市川三郷町にとって“稼ぎ頭”といえる存在です。
一方で、町には六郷地区にもう一つの温泉施設「つむぎの湯」があり、明暗が分かれています。
つむぎの湯は源泉の温度が低いことから加熱が必要で、燃料費がかさむために町が運営費用を負担している状況です。去年、「財政非常事態宣言」を出した町は9月議会で入浴料を10月から最大2倍に値上げし、年度内に「施設の休止」か「民間譲渡」かを決める方針です。
また、みたまの湯の利用料も指定管理者が来年度以降、値上げする可能性があるということです。