甲府市は市立中学校で新年度から「詰襟」と「セーラー服」に加え、第3の制服として「ブレザー」を本格導入します。市では「性別などにとらわれず、自由に制服を選んでほしい」としています。

女子中学生
「ズボンだと暖かいのが第一の理由」「運動しやすくていいなと思った」

　甲府西中の2年生の教室です。2人の女子生徒がブレザー姿で授業を受けていました。

　甲府市内の中学校の制服はこれまで、男子は「詰襟とズボン」、女子は「セーラー服とスカート」に統一され、生徒側に選択肢はありませんでした。しかし、新年度から新たに「ブレザー」が本格導入され、性別に関係なく選べるようになります。

甲府西中学校 寺田是 校長
「その子がその子らしく自分の考えで制服を選べるよう選択肢を増やした。自分に一番合うと思う制服を選んでもらえるといい」

　現役の中学生も3学期から希望すれば選べるようになっていて、甲府西中でも2年生の女子生徒2人が着用しています。

制服にブレザーを選んだ女子生徒は
「ズボンが好きで、スカートよりズボンの方が自分らしくいられる」「ズボンをはいて生活してきたので、いきなりスカートといわれると肌に合わない感じ。ブレザーの制服が出たと、お知らせを見たときは『やった！』と思った」

　また、学校ごとデザインに若干の違いがあるセーラー服に対し、ブレザーはデザインを統一。性別だけでなく、学校が違う生徒の間でも使い回しがしやすくなっています。

甲府西中学校 寺田是 校長
「ニーズがある以上、可能な限り早く導入しようと１年間で導入を決めたが（着用者がいて）結果的にはよかった。（第三の制服を）選択肢として考える生徒が増えてくると、導入の意味があったのかなと思う」

　新年度に向け、制服の採寸や購入予約の受付が始まっていますが、ブレザータイプの希望者はすでに100人を超えているといいます。県教育委員会などによりますと、学校単位でなく市全体で第3の制服を導入するのは、県内では甲府市が初めてです。