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【速報】小林製薬 小林一雅会長・小林章浩社長の『辞任』を正式発表 社長の後任は山根聡専務が昇格 「紅麹」健康被害で“引責”

2024年7月23日 12:01
【速報】小林製薬 小林一雅会長・小林章浩社長の『辞任』を正式発表 社長の後任は山根聡専務が昇格 「紅麹」健康被害で“引責”
小林章浩社長(今年3月)

 小林製薬は23日、小林一雅会長と小林章浩社長が辞任し、後任の社長には8月8日付で山根聡専務(63)が就くと発表しました。紅麹を含むサプリメントを摂取した人の健康被害が相次いでいる問題で責任を取る形で、創業家以外では初めての社長となります。

 小林一雅会長は1976年に4代目の代表取締役社長に就任し、2004年からは会長を務めていて、小林章浩社長は2013年から6代目の代表取締役社長に就任しています。23日に開かれた臨時の取締役会で審議され、決定しました。一雅会長は取締役も辞任し特別顧問に、章浩社長は代表権のない補償担当の取締役になります。

 小林製薬は異動の理由について、「紅麹問題における一連の対応についての取締役の経営責任を明確にするため」としていて、章浩社長の6か月間の役員報酬の50%、山根専務の6か月間の役員報酬の40%を自主返納することも併せて発表されました。

■公表まで約2か月 目立った対応の遅れ

 一連の問題をめぐっては、小林製薬は最初の健康被害の報告を1月15日に受けていたにもかかわらず、公表したのは3月22日で、発表までに2か月以上が経過していたことに、対応の遅れが指摘されていました。

 3月の会見では、小林製薬は「本来はもっと早く報告すべきだったが、何が原因か分からず、できるだけ広く可能性を調べた」と釈明していましたが、その後行われた株主総会では、経営陣の引責辞任を求めるなど株主から厳しい意見が相次ぎました。

 さらに、6月28日には、厚生労働省が、これまで5人としていた死亡事例について、他に死亡に関する相談が170事例あったと発表しました。腎関連疾患以外の診断を受けたケースを報告の対象としていなかったことによるもので、国が170事例について報告を受けたのは前日の6月27日でした。武見厚労相は「小林製薬の判断により死亡者数の報告をしなかったことは極めて遺憾である。今後は厚生労働省が管理し、小林製薬に任せておくわけにはいかない」などと怒りをあらわにしました。

 紅麹をめぐる健康被害について、21日時点で、判明していた5件のほかに、死亡に関する相談が274件あり、このうち97件が調査対象になっています。