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【独自解説】ガーシー被告 争点は“脅迫の常習性”「被告人質問」で何を語った? 最初は「暴露系ユーチューバーやりたくなかった」 ドバイで警察に連行され「死を覚悟し帰国した」

2023年12月22日 16:00
【独自解説】ガーシー被告 争点は“脅迫の常習性”「被告人質問」で何を語った? 最初は「暴露系ユーチューバーやりたくなかった」 ドバイで警察に連行され「死を覚悟し帰国した」
ガーシー被告に対する被告人質問が行われる

 俳優の綾野剛氏ら4人を常習的に脅迫したなどの罪に問われているガーシー被告ですが、その被告人質問が12月21日に行われました。

暴露系をしろと言われたが「最初に言われたときはすぐに断った」

 午後1時半から行われた被告人質問にガーシーこと東谷義和被告は黒いスーツで現れました。髪の毛は短く痩せた印象だったということです。今回は、まず弁護人からの被告人質問から始まりました。「その当時どんな思いだったのか?そして、今どんな思いなのか?」という質問に、ガーシー被告は「今は非常に反省している。関係のない方も巻き込み大変申し訳ない気持ちでいっぱいです」と答えていました。

 また、「なぜ芸能界とのつながりがあるのか?」という質問には、「芸能事務所をやっていたことがある。その際に男性タレントに女性を伴う食事を提供したり、女性のタレントと一緒に旅行に行ったりして遊んでいました。その際にお金などは発生していない」と話しています。

 「なぜドバイに行ったのか?」との問いには「当時4億円~5億円の借金があった。これはギャンブルで作ったもので、ある知り合いに『ドバイでやり直さないか』と誘われてドバイに渡った」としました。また、「その知り合いがやっているレストランなどでバイトなどをしながら生計を立てていた」ということです。

 「“暴露系のユーチューバー”といわれるようになったのはなぜか?」と聞かれると「そのドバイの知人に勧められてやることになった」と答えています。「最初に言われたときはすぐに断ったが、お金を借りているということもあり、芸能界の闇を知らしめたいとも思った」とも話しています。

 また、新しい話として、2023年の1月にドバイの秘密警察に地下のようなところに連れていかれて、「日本からクレームが来ている。お前が配信を辞めるなら我々は守ってやる」と言われたそうです。そのため2月には配信がなかったと話しています。そして6月に「10数人の警察官(当時、本人は警察官だとは思わなかった)に囲まれて、後ろ手に手錠をかけられ車に押し込められて1時間ほど砂漠などを走り、片道分のチケットとパスポートを渡され『これで日本へ帰れ』と言われた。私は死を覚悟したので、これは帰って罪を償おうということで、6月に帰国した」と話しました。

 問われている「常習的脅迫」についての話はなかったのですが、証言の中で「全て、そのときの感情に任せて激高する感じで、あのように喋ってしまった。関係のないことまで、喧嘩をするような感じで喋ってしまった」と、「常習的」ではなく「突発的」だといいたいかのような印象でした。

争点の常習性とは?量刑は?

 ガーシー被告の起訴内容は、俳優・綾野剛氏やジュエリーデザイナーなど4人への「常習的脅迫」と、さらにその2人に対し刑事告訴を取り下げさせようと脅した「証人威迫」、そのほか「名誉毀損」「強要」「威力業務妨害」などの罪に問われています。弁護側は、「常習性は認められない」としていますが、ほかの罪に関しては認めています。

Q.法的に常習性とはどのようなことを言うのでしょうか?
(亀井正貴弁護士)
「反復・継続して犯罪行使を行う習癖のことです。もともとは反社会的勢力を想定していたので、その人物の属性やキャラクター、考え方などで常習性が認められると想定していたのですが、必ずしもそう限定されるわけでもなく、判断する過程では同種の前科・前歴がないかどうか、同じようなことを繰り返していないかだとか、一定期間のうちに反復・継続したかどうかなどの事実に基づいて総合的に判断します」

Q.今回のガーシー被告は「常習性あり」となりますでしょうか?
(亀井弁護士)
「『感情に任せて激高する感じで…』というのは弁護側としてはマイナスポイントです。そして、『あまりやりたくなかった』というのはプラスポイントです。ただ『お金のためにずっとやらざるを得なかった』というのはマイナスポイントです。『お金がない』という動機の下に、『やらざるを得ない』という状況の人になってしまいます。それは常習性認定の一つの重要ポイントになってきます」

Q.一人に対して繰り返すということですか?
(亀井弁護士)
「そうではなく、対象がだれであれ常習的にやるということです」

Q.本来は反社会的勢力を想定したと言われましたが、今回は枠が広がったということですか?
(亀井弁護士)
「必ずしも反社会的勢力に“限定した規定”ではないです」

Q.(常習性脅迫が認められると)場合によっては実刑もあり得るのですか?
(亀井弁護士)
「初犯なので執行猶予が付く方が座りがいいのです。ただ、大事なポイントは被害者に対しての措置をしているかどうかです。被害者に対しての措置をしないままの執行猶予は座りが悪いです。示談交渉ですとか一部でもいいので弁償の申し出をする方がいいと思います」

(「情報ライブミヤネ屋」2023年12月21日放送)

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