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【独自解説】若者に広がる“大麻汚染” 検挙数の7割が30歳未満…背景に「吸っても逮捕されない」誤解 国も強化に動く!? 元マトリが解説

2023年10月26日 16:00
【独自解説】若者に広がる“大麻汚染” 検挙数の7割が30歳未満…背景に「吸っても逮捕されない」誤解 国も強化に動く!? 元マトリが解説
:若者の間で“大麻汚染”が止まらない

 今、若者の間で“大麻汚染”が止まりません。検挙人数の7割が30代未満の若い世代だといいます。また、教育現場でも大麻がまん延し、全国の高校や大学などの学生が大麻に絡む容疑で摘発される事件が相次いでいます。若い世代に広がる“大麻汚染” 大麻が若者に広がっている原因は?一体どこから手に入れるのか?元厚労省・麻薬取締部捜査第一課長の廣畑徹氏が解説します。

大麻の検挙、7割が30歳未満…「罪の意識」の低さ背景に

 近年、大麻をめぐり検挙された人の数は増加を続け、2022年は5546人となっていて、10年前の3倍を超えています。そのうち30歳未満の若年層は約7割を占めていて、こちらも増加を続けているのが現状です。日本大学アメフト部では、大麻などを所持したり譲り受けた容疑などでこれまでに部員2人が逮捕されています。他にも全国の高校や大学などの学生が大麻に絡む容疑で摘発される事件が相次いでいます。これら30歳未満の若者が大麻の入手先を知った方法としてインターネットが36.3%、友人・知人からが49.5%となっています。

Q.今の若い人は、大麻に対しての罪の意識が低いのでしょうか?
(元厚労省・麻薬取締部捜査第一課長 廣畑徹氏)
「罪の意識はほとんどないんじゃないでしょうか。『大麻には使用罪がない』ということで、吸っていいものだと感覚になっているようです」

Q.大麻の栽培が室内で行われているとききますが?
(廣畑氏)
「見つかっていないだけで大阪府内でも何軒かあると思います。臭いがしますので、それでばれることが非常に多くあります。ダクトを付けて遠くに向けて換気をするのですが、それでも臭いはします。そういう臭いの通報や協力者からの情報を得て検挙します」

Q.インターネットから入手したという人が多いようですが、ここは何とか防げないのでしょうか?
(廣畑氏)
「インターネット経由の犯罪もずいぶん検挙したのですが、イタチゴッコでいくらでも形を変えて出てきますので難しいのです。そして、1回買うとそれ以降は電話での取引になってしまいます」

Q.大麻はゲートウェイドラッグともいわれていますが、大麻を始めると、次にMDMAやコカインなど他の薬物にはまっていきやすいのでしょうか?
(廣畑氏)
「はまっていきます。密売人が、大麻を買った人に『こういうのもあるよ』といって“おまけ”でほかの薬物をあげるんです。日大でもありましたよね」

Q.そうなるとさらに依存性が高い薬物にはまって、薬物の価格も上がっていくのに、止められなくなるということですか?
(廣畑氏)
「止められなくなります。また、薬物によって作用が違うのが面白いようで、2つの薬物を一緒に混ぜて使ってみたりします。そして、その使用感を友人に話して、その友人も興味を持って薬物使用者になって行きます」

臨時国会で大麻取締法改正案を審議、抑止になるか

 現在、国会で「大麻取締法」の改正案が審議されています。改正のポイントは大きく2つあります。一つ目が、「大麻草由来の医薬品の使用を認めること」となっています。大麻草に含まれる成分には、抗てんかんや抗不安作用があるものがあります。二つ目が、「大麻等の施用罪」を新設し、取締りを強化するものです。現在の大麻取締法では不正な所持、栽培、譲受、譲り渡し、輸出入については罰則の対象となりますが、改正後は乱用を防ぐため大麻の使用も罪になります。

Q.今まで大麻は、所持は逮捕されるけれど、吸っても逮捕されないという誤った認識があったということですか?
(廣畑氏)
「大麻を使う前に、『譲受』があって『所持』して使うわけですから、罪を二つ重ねてから使っていることになります。さらに『施用罪』が付け加えられると、抑止になると思います」

(「情報ライブミヤネ屋」2023年10月25日放送)

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