“黒幕”文書問題、渡したのは一体誰か 双方で意見食い違い 斎藤知事「私がコメントすることはない」
死亡した元兵庫県議を“黒幕”とする「文書」を渡したのは一体、誰なのか。維新も調査に乗り出す中、13日、兵庫県の斎藤元彦知事が会見に臨みました。
兵庫県・斎藤元彦 知事
「ご指摘いただいた方の問題だと思っています」
13日、兵庫県の斎藤知事が言及したのが…
NHK党・立花孝志 党首(本人のYouTubeより)
「手紙をもらいました。黒幕、主犯格は竹内。知事失職が彼らの最終的な狙い」
去年11月の選挙期間中、NHK党の党首・立花氏が斎藤知事の疑惑を調べる百条委員会に関して情報を発信するうえで、根拠の一つとなっていた「文書」についてです。
その中には、「元県民局長の死亡の責任が斎藤知事の責任に見えるよう印象操作した黒幕が竹内さん」 などという旨の内容が書かれていました。
“黒幕”として名指しされた竹内英明元県議は百条委員会の委員を務めていましたが、去年11月、議員を辞職。知事選の選挙期間中にSNS上で誹謗(ひぼう)中傷が広がったことが理由とされ、その後、今年1月に自殺したとみられます。
立花氏は2月7日、当時の主張の根拠となる文書を手渡した人物について…
NHK党・立花孝志 党首(本人のYouTubeより)
「文書を私に渡してくれたのは、兵庫県の百条委員会の岸口さんという方です。昨年11月1日の午後5時前後と記憶しています。神戸市内のホテルの一室でもらいました」
百条委員会の副委員長で、維新の岸口みのる県議は…
百条委員会 副委員長・岸口みのる 兵庫県議(維新)
「(去年)11月上旬だったと思いますけど、神戸市内のホテルで会いました。『情報提供は私から』ということでありましたけれども、私からではありません」
(Q:他の方から文書が渡されるということはあったんですか?)
「一緒に民間人の方もおられますので、そこはなんとも今、説明のしようがないというのが本音です」
双方の意見が食い違う中、岸口県議が所属する日本維新の会の吉村洋文代表は…
日本維新の会・吉村洋文 代表
「岸口県議という名前も出てきていますから、いずれにしても維新の議員の話ですから、きちんと事実関係明らかにした方がいいと。幹事長に『調査するように』と、そして『確認するように』という指示をいたしました」
死亡した元兵庫県議を“黒幕”とする「文書」を渡したのは一体、誰なのか。
(Q:百条委員会の副委員長の“疑惑”について知事の考えは?)
兵庫県・斎藤元彦 知事
「私は内容・文書も含めて詳細を承知してませんので、私が特にコメントするということはないです。漏洩の指摘に関しては第三者調査委員会で調査を進めていますので、そこがまずは必要な調査をしていくということになると思います」
中立の立場で知事の疑惑を調べるべき百条委員会の副委員長に対する疑惑。混迷を極める中、一刻も早い真相究明が待たれます。
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(黒木千晶キャスター)
改めて、VTRであったことを構図でまとめます。
去年11月上旬、神戸市内のホテルでNHK党の立花党首と百条委員会の副委員長の維新の岸口県議が面会していた。こちらについては双方とも一致しています。食い違っている点については、立花さんはご自身のYouTubeで今月7日にこのような発信をしています。
公用パソコンにあるという元県民局長の情報、そして「黒幕は亡くなった元竹内県議、知事失職が狙い」という紙を11月1日に岸口議員からいただきました、ということを今月7日にYouTubeで発信しています。
こちらに関しては、今月10日に百条委員会の副委員長である維新の岸口県議は、「面会をしたのは事実」であると、ただし「紙を手渡したのは私ではない」と否定しています。
岸口さんと立花さんの件に関して、13日の会見で斎藤知事はこのように話しています。「特にコメントすることはない。漏洩の指摘に関しては、第三者委員会で必要な調査をしていく」としています。
実は第三者委員会というのは、いま3つ存在しています。
まず1つ目は、当初の告発文や県の対応などを調査するもので、こちらに関してはメンバーなど詳細が公表されています。そして調査結果も公表する見通しです。
日弁連が定めている第三者委員会の指針というものがあります。利害関係がある者は調査の委員にはなれないということ、そして調査結果は原則開示する、これが日弁連が定めている第三者委員会の指針になります。
ですので、1つ目の第三者委員会に関しては、日弁連のガイドラインに即したものになるわけですけれども、他の2つ、「前総務部長が情報を漏洩した疑惑」そして、「去年11月に立花氏がSNSで公開した県が管理する情報の漏洩疑惑」これらに関する第三者委員会は、メンバーの詳細など公表はありません。
そして調査結果について、人事課は公表しないとしています。立花氏がSNSで公開した県が管理する情報の漏洩疑惑に関しては、3月末までに調査結果の報告書をまとめる予定で、法務文書課は「基本的には公表する」としています。斎藤知事は13日の会見で、結果が出て然るべき状況になれば、公表の仕方を検討していくことはあるとしています。
13日の会見でも、日弁連のガイドライン通りに公表しないのかという質問が記者からありましたが、それについて斉藤知事は、「ガイドラインを踏まえつつ、行政の中で必要な事情があれば、全て準拠するというよりもそこは裁量の余地がある」と発言しています。
横須賀さん、いろんな情報が拡散している中で第三者委員会による調査結果が出ればいろんなことが分かるんじゃないかと県民も期待していると思うのですが、その中で調査結果が公表されないとなると、本当に県民の期待に沿うものになるのでしょうか?
(横須賀ゆきの解説委員)
調査が進むにつれて、ご指摘の県民の方々の声というのも、具体的なものになっていくと思いますので、それを受けて斎藤知事がどう判断するかということが1点です。
立花氏がSNSで公開した県が管理する情報の漏洩疑惑については、維新の幹部たちはものすごく危機感を持っています。これから調査していくということになりますけれども、ポイントは、あの文書をそもそも誰が作成したのか、それから議員がなぜ立花さんと会ったのか、どんな目的だったのか、民間人の方はもちろん「情報源の秘匿」ということがあるかもしれないですけれども、今後の調査でそのあたりも解明していかないと、維新としての信頼感を失うのか得るのか、大きな岐路に立たされているんだと話をされていたんです。そのぐらい、今回のことは危機感を持って注視して取り組んでいくということなんです。