「地下水こそ酒を造る生命線」北陸新幹線の延伸計画めぐり京都で広がる波紋 酒造組合や市民が懸念の声「京料理や染織など京都の生活文化・産業文化を支えてきた水への懸念」
新大阪駅までを結ぶ北陸新幹線の延伸計画。この計画の一部について強い懸念の声が上がっています。それは…。
千年の歴史に培われた京都市内を縦断する「小浜・京都ルート」についてです。
17日、住民説明会を行うよう府に要望した京都市民は…。
京都市民
「京都北部の豊かな自然を破壊する」
「私たちの声も聞かないで工事をすることに、住民の怒りはとても大きいです」
2025年度の着工を目指すこの計画で検討されている案は3つ。
▽JR京都駅の「東西」方向に作る案
▽JR京都駅の「南北」方向に作る案
▽そして、JR京都線の桂川駅付近に作る案
いずれも京都市内に地下トンネルを建設することから、一部市民が地下に蓄えられている豊富な水に影響すると懸念してるのです。
地下水の量は、琵琶湖の水に匹敵するとされ、京都の暮らしや文化を長く支えてきました。
良質な地下水に育まれた日本有数の“酒どころ”伏見。その伏見酒造組合など京都の酒づくりの担い手からは…。
京都府酒造組合連合会・大倉博 会長
「地下水こそ酒を造るまさに生命線」
伏見酒造組合・北川幸宏 理事長
「本当に伏見の地下水に影響を与えないルート設定なのか、慎重に判断いただきたい」
地元の声に押されるように自治体のトップからも…。
京都市・松井孝治 市長
「酒造りだけではなく、京料理や染織など京都の生活文化・産業文化を支えてきた水に対する懸念を申し上げました」
北陸新幹線のルート決定をめぐる議論は、いよいよ大詰め。都人の不安は払しょくできるのでしょうか。