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琵琶湖に無許可で「ナゾの道」 湿地帯つなぐ幅3m、長さ70mの“盛り土”  滋賀県が警察に告発

2024年7月4日 17:52
琵琶湖に無許可で「ナゾの道」 湿地帯つなぐ幅3m、長さ70mの“盛り土”  滋賀県が警察に告発

 琵琶湖岸に無許可で「盛り土」をして道を作ったと名乗る人物を、滋賀県は河川法違反の疑いで警察に告発しました。いったい、何のために道を作ったのでしょうか。

 「琵琶湖に道ができている」

 問題は今年3月。滋賀県高島市の土木事務所に寄せられた匿名の通報で明らかになりました。

 滋賀県の許可を得ず、勝手に盛り土をして造られた道は幅約3メートル、長さ約70メートルにおよび、そこには車の通ったような跡が。

 現場は、琵琶湖北西部に流れ込む安曇川の河口付近です。今年5月時点の衛星画像を拡大すると、陸地をつなぐように道が造られているのが確認できます。

 ただ、3年前の衛星画像には盛り土らしきものは見当たらず、滋賀県は「去年5月の時点では、道は確認されていなかった」としています。

 問題の現場付近は、地元の人も立ち入らない湿地帯です。そこに読売テレビのカメラが入りました。
 
 阿部頼我 記者
「この先が琵琶湖にかけられたという道ですが、水かさが増しているせいか現在は一続きにはなっていません」

 違法に盛り土された問題の現場に立ち入ると…。

 阿部記者
「地面を見てみると、アスファルトの塊のようなものも、たくさん落ちています」

 盛り土との関係は不明ですが、アスファルトやコンクリートような塊が散乱。

 流れがせき止められたためでしょうか。琵琶湖の水は盛り土を境にして茶色く濁っていました。

 ここは一体どんな場所なのか。地元の人に聞くと…。

 阿部記者
「地元の人も立ち入らないんですか」

 地元の人
「入らないな。用事があれへんから。ハチに刺されたりイノシシにかまれたりするだけや」

 阿部記者
「元々は、つながっていなかった?」

 地元の人
「つながっていない」

 県は琵琶湖の埋め立てを一切許可しておらず、匿名の通報受け、同じ日に警察に通報しました。すると、その3日後…。

 「自分がやりました」

 高島市の土木事務所に「盛り土」をしたと名乗り出る人物から電話が。

 「許可なくやった」と話す人物に対し、県は盛り土を撤去し、元の状態に戻すよう指導。名乗り出た人物は指導に応じる意向を示しています。

 しかし、いつ、何のために盛り土をしたのかなど、詳細が明らかになっておらず、県は3日、河川を無許可に開発した疑いで警察に告発しました。

 滋賀県では警察の捜査状況や琵琶湖の水位をみながら、原状回復の作業などを調整しているということです。

◇◇◇

 (黒木千晶キャスター)
 現場から中継でお伝えします。

 (阿部記者)
 こちらは高島市安曇川町です。見えているのが琵琶湖で、琵琶湖に沿って少し歩きます。この先に進むと見えてくるのが、無断で造られた盛り土があった場所です。

 地元の人もなかなか立ち入らない場所で、近くの漁港の関係者や畑仕事をしていた方に話を聞きましたが、全員が「盛り土の存在は知らない」と話していました。

 見えてきました、こちらの岸から向こうの岸までつなぐように、盛られた土で作られた道があったのですが、VTRにもあったように、現在は陸続きにはなっておらず、島のように陸地が見られるだけです。

 (黒木キャスター)
 誰かが土を撤去したのですか?

 (阿部記者)
 撤去の有無であったり、具体的な理由については現在わかっていないのですが、県は盛り土をした人に、原状回復するように指導を行ったものの、具体的な撤去作業は行われていないということでした。

 おそらく、押し寄せる波や降り続いた雨で、土の大部分が流されてしまったのではないかと感じます。というのも、盛り土を挟んだ反対側は、流された土の影響なのか、水に泥が混ざったような濁った状態が見受けられたからです。

 対岸の陸地も、草木が生い茂っているだけで、建物などはありません。なぜ、ここに道が必要だったのか、いつどのような目的で盛り土が行われたのかは不明ですが、警察は告発を受理し、聞き取りなどを行う方針です。