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夜の都内「アライグマ」「ハクビシン」 生息域が拡大か 専門家「放置していると…」

2022年8月18日 21:59
夜の都内「アライグマ」「ハクビシン」 生息域が拡大か 専門家「放置していると…」

東京都内で、アライグマやハクビシンなどの野生動物の目撃情報や相談件数が年々増加しています。業者には駆除依頼が増加し、生息域が広がっている可能性があるということです。専門家は、アライグマの「繁殖力」に警鐘を鳴らしています。

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17日夜、東京・世田谷区で取材をしていたスタッフ。すると、目の前に、野生動物が現れました。

「これは…タヌキですかね。走って、逃げていきました」
「世田谷区の住宅街なのですが、ハクビシンがいます」

ハクビシンを見た近隣住民
「びっくりしています。見たことなかったから」

いま都会には、野生動物たちが姿を見せています。世田谷区の別の場所にある防犯カメラに映っていたのは、塀をよじ登るハクビシンでした。その姿に、通りすがりのネコも少し困惑した様子。さらに、カメラには、しま模様のしっぽが特徴の外来種のアライグマも映っていました。

このアライグマの目撃が、各地で相次いでいるのです。7月、東京・日野市の集合住宅のそばでは、複数のアライグマが一緒に行動する様子が撮影されていました。

さいたま市では6月、カメラを向けた先で2頭のアライグマが目を光らせていました。2018年には、東京・港区赤坂でも目撃されました。たびたび街に姿を現しては、人々を騒がせています。

その愛らしい見た目とは裏腹に、どう猛な一面を持つアライグマ。外来種の中でも人や生態系に影響を及ぼす可能性のある「特定外来生物」に指定されています。

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私たちが話を聞いたのは、アライグマの被害にあった東京・三鷹市に住む男性です。

アライグマ被害にあった 下田幸司さん
「ここにいた親のメダカ200匹が、ある日突然、全部いなかった。毛がついてまして、人間でもない動物の毛。それでカメラを設置してみました」

カメラが棚を器用にのぼるアライグマの姿を捉えていました。アライグマは、水槽などを物色していました。

アライグマ被害にあった 下田幸司さん
「アライグマに関しては、まさかこの辺にまでいるとは思わなかった」

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駆除業者は、都市部でも駆除依頼が増え始めているといいます。

東京都によると、都内のアライグマ捕獲数は年々増え、2021年度は1000頭以上が捕獲されています。

都内でのアライグマの捕獲状況を10年前と比べてみると、2012年は、東京西部を中心に多く捕獲されていましたが、2020年は、より都会に近い23区内での捕獲数が増えていました。生息域が広がっている可能性があるといいます。

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専門家は「もともと23区内にいたアライグマが繁殖し、目立つようになってきたことが要因だ」と指摘しています。

アライグマの生態に詳しい 北海道大学 池田透教授
「放置していると、それだけ増加する繁殖力をアライグマは持っている」

アライグマの繁殖力は、12年で100倍以上にまで増えてしまうほどだといいます。また、自治体が対策に力を入れ始めたことも、捕獲数が増えた要因ではないかということです。

アライグマの生態に詳しい 北海道大学 池田透教授
「東京であっても、そこへ侵入していくのは何も不思議なことではない。おそらく、これからさらに数は増えていく」

自治体などはアライグマを見かけても、近づかないよう呼びかけています。

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