【続報】死産の赤ちゃんを捨てた疑いのベトナム人技能実習生 周囲に妊娠を話していなかったか 福岡
死産した赤ちゃんの遺体を室内のゴミ箱に捨てた疑いで、福岡市のベトナム人技能実習生の20歳の女が6日、逮捕されました。女は周りに妊娠していたことを話していなかったとみられています。
■占部晃太朗記者
「グエット容疑者が死産した赤ちゃんは、このマンションに住む交際相手の部屋で見つかりました。」
6日、死体遺棄の疑いで逮捕されたのは、福岡市博多区那珂のベトナム人技能実習生、グエン・テイ・グエット容疑者(20)です。2月2日、男の赤ちゃんを死産した後、遺体をポリ袋に入れて、交際相手の部屋のゴミ箱に捨てた疑いが持たれています。容疑を認めているということです。
捜査関係者によりますと、グエット容疑者は事件当日の朝、実習先の弁当製造会社に行き、仕事を始めたものの早退しました。
そして午前10時半以降に、交際相手の部屋で赤ちゃんを死産し、遺体をゴミ箱に捨てました。
交際相手は警察に「当時、家にはいなかった」と話していて、警察は死産から遺体を捨てるまでの間、グエット容疑者はずっと1人だったとみています。
その後、体調不良を訴え、交際相手とともに福岡県春日市の病院を訪れました。
そこでグエット容疑者が、「自宅で出産した」と話したことから、午後11時ごろ、病院から警察に通報があり事件が発覚しました。
遺体の司法解剖の結果、少なくとも妊娠から8か月はたっていたものの、グエット容疑者は交際相手を含め、周りに妊娠していたことを話していなかったとみられています。
なぜ周りに妊娠していたことを話さなかったのか。警察は事件に至った動機を調べています。
技能実習生による乳児を遺棄したとする事件は過去にも起きています。
こちらは熊本県の事件です。2020年に死産した双子の赤ちゃんの遺体を自宅に遺棄したとして、ベトナム人技能実習生の女性が死体遺棄の罪に問われました。
1審、2審はともに有罪判決でしたが、去年3月、最高裁は、遺体の包み方や置き方が死体遺棄には当たらないとして、逆転で無罪を言い渡しました。
実はこの女性、逮捕された時、警察に「妊娠がばれたら帰国しないといけないと思った」と話していました。
ですが、日本人と同じ労働関連法令が適用されますので、妊娠などを理由に解雇することは違法ですし、帰国させることもできません。
ただ、おととし、外国人技能実習生を対象に行われた調査では「受け入れる会社などから『妊娠したら仕事を辞めてもらう(帰国してもらう)』」と直接言われたことがある、という人が、4人に1人以上、26.5%に上っています。
ベトナム人技能実習生の支援を行う東京のNPO法人によりますと、妊娠・出産に伴う雇い止めの相談は、月に2・3件あるということです。
また去年、実際に雇い止めに遭い、ユニオンを通じて団体交渉を行った事例が12件あったということで、実習生はもとより、受け入れる側にも正しい理解が必要です。