「バルーンフェスタ」大雨で出店中止 大量の在庫に途方に暮れる販売者を救ったのは…「2000個以上のホットドッグどうしよう」SNSをきっかけに支援の輪 佐賀
佐賀のこの時期の風物詩といえば「バルーンフェスタ」です。しかしことしは、大雨の影響で2日目以降のイベントや出店がすべて取りやめとなりました。出店者は大量の在庫に頭を抱えていましたが、SNSをきっかけに支援の輪が広がりました。
10月31日に開幕した「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」は、11月4日まで5日間の日程で、熱気球が彩る佐賀平野の景色を楽しもうと多くの人が訪れるはずでした。
しかし、季節外れの大雨でメイン会場の河川敷が水没する恐れがあることから、2日目から最終日(11月1日から4日)までの4日間、イベントや出店はすべて取りやめとなりました。
「バルーンフェスタ」に出店していた会社を訪ねました。こだわりのハムやソーセージを製造・販売する「唐津くん煙工房」です。
■唐津くん煙工房・山下諒祐さん
「この倍は今回、バルーンフェスタ用で作った。2500本です。」
今回初めて「バルーンフェスタ」に出店し、自家製ソーセージを挟んだホットドッグの販売を予定していました。
初日は販売することができましたが、2日目以降の日程がすべてキャンセルになったことで、2500本のソーセージの多くが行き場を失うことになったのです。
■山下さん
「ホットドッグ用に特別に作っているので、ほかの販売先がない。ものを見るとつらくなりました。」
他社から仕入れたパンや調味料も含め、積み上がった在庫を前に、当初は途方に暮れるしかありませんでした。
そんな窮地を脱するきっかけになったのは、SNSへの“つぶやき”でした。
「2000個以上のホットドッグのパンとソーセージ…どうしよう…」
この投稿は一日で77万回以上も見られ、次々に、励ましの声が寄せられました。
「買いたいです。食べたいです」
「販売が決まったら拡散するので教えてください」
さらに、同じ時期に行われる「唐津くんち」の関係者からも連絡があり、地元の商店街の一角で、ホットドッグを販売できることになりました。
また、冷蔵庫を使ってくださいとのありがたい申し出もあったといいます。
■冷蔵庫などを提供した知人
「ずっとお世話になっているので、 手助けできたらと。」
■山下さん
「ありがとうございます。十分すぎるスペース。」
■山下さん
「さっきまでは在庫のパンとかどうしようかなと不安しかなかったのですが、いろんな方の好意をいただいて販売できそうだなと。本当に感謝しかないです。」
そして3日、祭りでにぎわう街の一角では、「唐津くん煙工房」の従業員が総出で、ホットドッグ作りに精を出していました。
■訪れた客
「X(SNS)を見て来ました。大変でしたね。」
■山下さんと従業員
「ありがとうございます。」
■訪れた客
「Xで見たので、それで来ました。力になりたいなと思いました。」
「おいしいです。」
ホットドッグは2日・3日で1000本ほど売れ、4日もまずまずの売れ行きだということです。
■山下さん
「地域の皆様のおかげですし、Xを見てわざわざ買いに来てくださった。SNSを甘く見てたわけじゃないですけど、やっぱそういうつながりは大切にしないといけないなと改めて思いました。」
SNSでの一言をきっかけに広がった支援の輪。「唐津くん煙工房」では、「商品開発やサービスを通じて今後も恩返ししていきたい」としています。