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【解説】維新と急接近、予算案成立へ“大きく前進” 石破政権、難関突破に“メド”も…

2025年2月25日 19:13
【解説】維新と急接近、予算案成立へ“大きく前進” 石破政権、難関突破に“メド”も…

来年度予算案の修正をめぐり、大きな節目を迎えています。日本維新の会は25日午後5時過ぎから党内の意見集約を行っています。了承が得られれば、予算案へ賛成する方針を確認する見通しです。少数与党国会の中、予算案が年度内に成立する公算が大きくなることになります。

   ◇

めまぐるしく動く国会の与野党協議。日本テレビ・政治部官邸キャップの平本典昭記者が、3つの疑問について解説します。

1.維新と「急接近」…予算成立へ
2.“103万”めぐり…国民と「交渉難航」
3.予算成立“メド”も…いばらの道

鈴江奈々キャスター
「まず、維新の会とは『急接近』し予算成立へ、ということですが?」

政治部官邸キャップ・平本典昭記者
「維新の会合、すでに終わったという情報が入ってきました。これまで、一部に反対論は出ているようですが了承されたということです。同時に、予算案の採決で賛成する方針を確認したとみられます。

25日は、少数与党の国会で、大きな節目の1日となります。というのも、政権の最初の関門『来年度予算案』の年度内成立にメドがつくということでしたから、大きく前進したわけです。

与党と維新が接近した背景には、主に、石破・前原の鉄道マニアつながりの個人の信頼関係や、維新が主張する政策実現が国民民主党より『安上がりだった』という2点がありました」

鈴江キャスター
「維新が賛成にまわると確認され予算が成立となると、与党からすると大きな壁を越えることになります。すると『103万円の壁』をめぐる交渉は、どうなるのでしょうか?」

平本典昭記者
「そちらの壁は協議が停滞しています。先週、与党は新たな案を提示しました。所得税の非課税枠を上乗せする対象を、年収850万円まで拡大するというものです。国民民主は25日の会議で『受け入れられない』ことと確認しています。与党側は年収によって非課税枠に差をつけていて、国民民主党側は『わかりづらい。年収制限は撤廃すべき』と反発しています」

平本典昭記者
「交渉が難航している理由は『政策面』と『政局面』の2つあると思います。まずは『政策面』ですが、国民民主は178万円を譲りません。『直近の衆議院選挙で手取りを増やす政策が国民の支持を得た』と強気です。これに対して与党側は『7兆円超の財源捻出は到底できない』と、出口が見えません」

鈴江キャスター
「手取りを増やすのはいいとしても、そもそも7兆円の財源をどう確保するか、国民民主側にアイデアはあるんでしょうか?」

平本典昭記者
「国民民主の玉木氏は主に2つの主張をしています。1つは、税収の上振れです。2024年度で約3.8兆円見込みより税収が増えたと。あとは予算を組むが、結局、毎年余る部分がある。玉木氏は『歳入、歳出の緻密な見直しで、取り過ぎた税金を国民に戻すべき』という主張なんです」

鈴江キャスター
「国民民主党がここまで強気な背景は、どこにあるんでしょうか?」

平本典昭記者
「その理由が『政局』、もっと言うと、次の選挙で『プラス』とみているからです。ある国民民主の幹部は『次の選挙で手取りを増やすことに反対の自民・公明・維新と、賛成の国民民主、という構図で戦いやすくなる』とその戦略を明かしています」

鈴江キャスター
「年収の壁は、私たちの生活に直結する大事な政策なのに、政局に振り回されるのはちょっとどうなのかと思います」

平本典昭記者
「その通りですね。自民、公明、国民の3党は年末に『178万円まで引き上げることを目指す』とまでは合意しているんです。今回、政局で決裂するのでなく、与党側も、そして国民民主側にも結論を出す責任があるとみています」

鈴江キャスター
「予算成立の“メド”も立ちましたが、この先、いばらの道が待っているのでしょうか?」

平本典昭記者
「はい。週末、一気に『ギアチェンジ』した政党があるんです。野党第一党の立憲民主党です。ここまで与野党協議で置いてきぼりを食っていますが、野田代表は自民党に対して『戦闘モードに入る』と全開です。

ある立憲幹部は『全く存在感がない』と危機感を露わにしています。立憲は確かに予算の修正案を出しているのですが、自民党側から修正に応じる結果を引き出してはいません。

ある立憲幹部は『数は野党で一番もっている。どんな手でも使っていく』と力が入っています。石破政権としては来年度予算案の成立の『メド』と、1つの関門は突破しても、国民民主とはいま協議が難航しています。立憲が『戦闘モード』に入ったことで、新たな『いばらの道』に入ることになりそうです」

鈴江キャスター
「立憲民主が戦闘モードということですが、どの党も夏の参院選をにらんだ動きが強くなるとみていいでしょうか?」

平本典昭記者
「選挙が近づけば近づくほど、選挙にどう勝っていくかという戦略を優先する傾向が強まると思います。予算が通ったとしても、後半国会は選挙を見据えて各党の政策がどうなるのか、まさに注目だと思います」

(2月25日午後5時10分ごろ放送『news every.』より)

最終更新日:2025年2月25日 19:13