【多発】『WC16-20×』あなたはこの意味が分かりますか?不自然に置かれた『石』や『謎の記号』は窃盗を狙うマーキングか 巧妙化する様々な“目印”が指し示す個人情報に注意「全ての悪い人間が共有する」
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兵庫県神戸市の住宅で、玄関先などに不自然な石が置かれているケースが相次いでいます。警察は窃盗グループが“ある目的”で置いた可能性があるとして警戒しています。そして不審なマーキングは石以外にも―。家のいたるところにある謎の数字や記号が指し示す個人情報とは?防犯アドバイザーの京師美佳氏の解説です。
■不審な石は「窃盗グループがよく使う常套手段」 『たばこの吸い殻』や『カエルの死骸』…家主に“見つかりやすいもの”を置いて様子見か?
兵庫県神戸市にある閑静な住宅街で、住民が警戒を強める不審な出来事が相次いでいます。家の玄関先や、開ければ落ちるような門の上部に石が置かれていて、警察によると、近隣ではここ2週間で、同様の不審な石が㉖件見つかっているといいます。
事態が発覚したのは2025年1月29日に「若い男2人が、インターホンを鳴らして門を開けようとしている」という1本の通報からでした。家に入ろうとしていたという2人の男は、その後、立ち去ったといいますが、家の周辺を確認すると、門の上とガレージに、手のひらサイズほどの石が置かれていて、警察が捜したところ、周辺の複数の家から、同様の石が発見されたといいます。
警察は窃盗グループが人の出入りを確認するためのマーキングをしている可能性があるとして、警戒を強めています。
(防犯アドバイザー・京師美佳氏)
「家の出入りがあれば、門の開閉によって、石は落ちると思うんです。家の人が帰ってきていないかどうか、ひと目で分かってしまいますし、逆に言いますと、石がそのまま放置されていれば、不在時間の特定にもつながりますので、窃盗グループがよく使う常套手段なんです」
Q.例えば『枯れ葉』や『つまようじ』、『たばこの吸い殻』や『カエルの死骸』など、逆に、家主の目につくようなものを置いて、つい動かしてしまうようなものを選んでいるということですか?
(京師氏)
「そうです。ちょっと目立つものとかを置いておいて、動かす時間を見ていたり、全く逆で、そこにあっても不自然じゃないものを置いていて、移動する時間や、動かした時間を見ているということがあるんです。今、全国的に空き家・長期空き家が増え、さらに入院されて家に不在の時などに窃盗事件が多発しているので、そもそも、ここに人が住んでいるかどうかを見ている可能性があります」
もし、自宅でマーキングを見つけた場合、まずはマーキングを撮影し、警察に相談します。そのあとにマーキングの処理をしますが、決して“撮った写真をSNSには載せないように”とのことです。
Q.なぜSNSに載せてはいけないんですか?
(京師氏)
「例えばカエルとか、クワガタとか、過去にそういったものもありましたが、『これ何?』と、SNSにアップすると、『あっ、これがこの人の家だ』という感じで、個人が特定されて、そこから例えば『旅行に行っている』という投稿をすると、その間に空き巣に入られるというパターンもありましたし、所得などもSNSの情報から察知されてしまうというのがあります」
■「すべての悪い人間が共有する」記号や象形文字など難読化するマーキング 今は見つかりにくいような場所にも?
置き石などの置き型以外にも、マーキングの例があり、例えば表札に『赤と黄色のシール』が貼られている場合、これは『赤』が女性、『黄色』が子どもという意味で、女性と子どもがいることを表しています。そしてガスメーターに書かれた『WC16-20』は、『W』が女性で、『C』が子ども、『16時から20時は不在』という意味です。
文字のマーキングは多種にわたり、例えば『M』は男性、『W』は女性、『S』は高齢者、『学』は学生、『F』はファミリー、『SS』は1人暮らし、『ル』は留守などがあります。
Q.こんな個人情報は、誰がどうやって調べているんですか?
(京師氏)
「様々な人間がこれを下見として使うんですけど、車とかで周辺を回りながら、洗濯物や表札とか、そういったところから情報を抜き取り、そこから悪徳訪問販売・強盗・空き巣、それぞれがインターホンで業者のふりをして、色々な質問をして聞き出して、そういった情報を書き込んでいく。全ての悪い人間が共有することになっているんです」
中には難読な象形文字のようなマーキングもあり、『お金持ち』『警報機あり』『空き巣計画中』などがあるといいます。
(京師氏)
「世間にシールや数字がマーキングとはこういうものだと周知され始めたので、こういった象形文字のようなものを使って表すようになってきています」
Q.『×』は“空き巣計画中”なんですね?
(京師氏)
「ここはもう狙っているので、(他の犯罪者は)あたるなって意味ですね」
Q.それぞれの犯罪グループに違うマークがある可能性もありますか?
(京師氏)
「多少のズレはあるんですが、大きくは違わない場合が多くて、みんなが共有している場合がありますので、例えば今回の置き石に関しても、置いた人間以外の悪い窃盗団や強盗グループが、共に使う場合もありますので、様々な被害に遭う可能性が出てきます」
Q.これらはガスメーターなどに書いてあるとのことですが…
(京師氏)
「それがですね、ガスメーターなども世間に知れ渡っているので、自宅の側壁の下のほうや、ちょっと見えにくい場所に書かれていることが最近増えていて、自宅をぐるっと回ってもらわないと分からないかもしれない」
Q.窃盗グループは、個人宅をターゲットに狙うことが多いのか、それとも町全体の状況を把握しているのでしょうか?
(京師氏)
「2通りありまして、ピンポイントで狙って確認している場合と、神戸市の件だと26件ということですので、町全体で家に人がいない所を探していると思います。そこで家に長期でいない方や、もしくは長時間いない方を多分当たっているんだと思います」
(「情報ライブ ミヤネ屋」2025年2月13日放送)