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目からウロコ解説 「立秋」が最も暑い…エアコンがない時代はどうしてた?

2024年8月6日 18:47
目からウロコ解説 「立秋」が最も暑い…エアコンがない時代はどうしてた?

市川 栞 キャスター:
「北國新聞論説委員の野口強さんとお伝えします。よろしくお願いします。きょうはどんな話題でしょうか」

◆立秋も…
北国新聞論説委員・野口 強 さん:
「あすは立秋です。暦の上で秋が始まる日と言われるが、実は最も暑い時期」
市川:
「暑すぎる日が続いていますね」
野口:
「梅雨明けから続く猛暑は、相変わらず元気ハツラツで、熱中症に最大限、警戒する日々が続いています」

◆熱中症特別警戒アラートの運用開始
野口:
「今年から災害級の暑さに備えて予防行動を促す「熱中症特別警戒アラート」の運用が始まり、暑さをしのぐため、市や町が、公共施設などを「クーリングシェルター」として開放することになりました」
「きょうのテーマは、こちら」

野口:
「これまで全国で気温40度を超す観測地点が相次ぎ、7月の暑さが2年連続で過去最高を更新したように、命の危険を伴う暑さが現実感を伴って意識される状況です。先月、金沢市でエアコンを使っていない部屋にいた高齢の女性が亡くなり、きのうは輪島市で、田んぼの草刈りをしていた男性が亡くなりました。いずれも熱中症とみられます」
市川:
「適温を保った場所で過ごすことが健康管理に直結することが分かりますね」
野口:
「市川さんは何か対策をしていますか?」
市川:
「首に巻く冷たいリングを買って、外だけでなく室内でも使っています」

◆命守る避暑スペース
野口:
「外出の際にも炎天下を避けることが大切ですが、このクーリングシェルターは、深刻な健康被害が予想されるほどに気温が上昇した時、一時的に避難し、暑さをしのげる場所を指し、市や町が公共施設やショッピングセンターを事前に指定することになっています」

◆特別アラートで開放
野口:
「指定されたシェルターは、特別警戒アラートが出たら、開放することが義務づけられていますが、幸い、北陸はもちろん全国で1度も発令されていません。
しかし「特別警戒」に達していない段階でも、身にこたえる暑さに見舞われることも考えられる」

◆クーリングシェルターの開放状況
「金沢市などは、指定されたシェルターをすでに開放していますし、ほとんどの市や町のシェルターでも、涼みに来る人を受け入れているようです」
市川:
「こうしたマークが目印ですね」
野口:
「市役所とか図書館など公共施設が多いんですが、民間でも場所を提供する動きが出てきた」

◆理容店でひんやり一息
「県内では理髪店が加盟する県理容生活衛生同業組合が、熱中症予防や家庭の消費電力を抑えるため、店内で涼んでもらおうという取り組みを始め、好評だそうです。2つ目の、目からウロコです」

◆エアコンの歴史
野口:
「今や日本では、エアコンによって暑さ対策をする生活スタイルになってきましたが、エアコンは1970年代あたりから普及し始めました」
市川:
「エアコンがない時代は、どうやって暑さをしのいでいた?」

◆涼し気なもの

野口:
「家では日差しを遮るすだれや、涼しい音色の風鈴、金沢なら氷室の氷(今年もお目見えしましたが)などありますが、70年代の北國新聞の写真から、時代を感じさせる風景を見てみましょう」

◆寄せては返す人の波

「夏のレジャーの王様と言えば海水浴でした。このころの内灘海岸は、海が見えないほどの人の波です。更衣室が満室で、ござを掲げて、着替える女性を隠してあげたこともあったそうです」
市川
「今年、内灘では、地震からの復旧を優先し開設を断念しました」
野口:
「能登方面では、海岸隆起などで営業しない海水浴場が多いようです」

◆プールで盆踊り
野口:
「これも夏の定番の浴衣姿の盆踊り」
市川:
「プールを囲んで踊っているんですか?」
野口:
「白山市の旧松任町の風景です。戦前に完成した全国でも珍しい自慢の50メートルプールには、屋形船を浮かべたこともあったようです。この涼しげな盆踊りは1997年まで続いた」

◆風に吹かれて橋で将棋
「夕涼みがてらに将棋をさす人たち。実はここは、家の縁側ではなくて、犀川に掛かる下菊橋の上です」
市川:
「今だったら許されないですね…」
野口:
「川風を受けながらの将棋は、通行人が、指し手になることもあった。橋の上の交流サロンの雰囲気ですね」
市川
「水辺を生かして、自然がもたらす涼しさを上手に取り込んでいたんですね」
野口:
「とはいえ近年の気温の上昇は並みではない」

◆平均気温が上昇

「去年の8月の金沢の平均気温が30・5度。統計上、一番古い1882年は25・1度でした」
市川:
「140年余りで5度以上も高くなったんですね」

◆シェルターを上手く活用
野口:
「昔より過酷な暑さの中にいることを認識し、シェルターのような避難スポットも上手に活用する。そして暑さを和らげる昭和の知恵も頭に置きながら、できるだけアクティブに夏を過ごす工夫をしたいですね」
市川:
「ありがとうございました。野口さんの目からウロコでした」