×

【お天気なるほど解説】台風+前線…海面上昇「高潮」発生の仕組み

2024年8月22日 18:39
【お天気なるほど解説】台風+前線…海面上昇「高潮」発生の仕組み
市川栞キャスター:
「木曜日は報道部の気象予報士・小野さんに週末の天気を中心に伝えてもらいます。小野さん、きょうは二十四節気の処暑ですが、暦とは裏腹の厳しい暑さでした」
小野和久 気象予報士:
「あすは、さらに気温が上がります。気象台の週間予報を見ていきましょう」
「あすは、フェーン現象も加わり、金沢の最高気温は37度の予想です。いまの時期の最高気温は30度から31度くらいが平年並みですので、この先も高いでしょう」
市川:
「そして、土曜日からは雨の日が続きますね」
小野:
「前線が停滞しそうです。そこで心配なのが、大雨につながる「台風プラス前線」というケースです」
市川:
「けさ、台風10号が発生しましたね」

小野:
「その進路予想を見ていきましょう。台風10号は、まっすぐ北上する予想です」
市川:
「来週の火曜日まで予報円が出ていますが、円が広いですね」
小野:
「進路や速度が定まっていない…という意味です。そして、心配なのが、台風が近づく前に前線活動が活発になることです。今後の情報には十分、気を付けてください」

「そして、気象台から発表された最新の3か月予報です。気温は、9月・10月は高い、11月は、平年並みか高いです」
市川:
「残暑が、厳しい予報です。この先も、健康管理に注意が必要ですね」
小野:
「下の段、雨の量はほぼ平年並みですが、台風や秋雨前線の影響には注意していきましょう」

小野:
「さて、台風のときには、高潮や高波に注意・警戒が呼びかける場合が多くあります」
市川:
「”高波”は、言葉通り”高い波”への注意・警戒ですが、「高潮」との違いがいまひとつ自信がありません」
小野:
「そこで、きょうは高潮について考えましょう」

小野:
「波が穏やかな状態が、この図です。ここに台風が近づくと、気圧が下がります」
市川:
「気圧が下がると、「空気が海を抑えるチカラ」が弱くなるので、海面が上昇するんですね」

小野:
「その通りです。海面が吸い上げられるので「吸い上げ効果」と呼ばれます」
市川:
「この効果で、どのくらい海面が上昇するんですか」
小野:
「大まかな目安として気圧が1ヘクトパスカル下がると、海面が1センチ上がります」
市川:
「気圧が普段より50ヘクトパスカル下がるとすると、海面が50センチも上昇するということですね。」
小野:
「さらに、台風は、強い風が吹いています」

小野:
「その風が沖合から海岸に向かって吹くと、海水が 海岸へ吹き寄せられてさらに海面が上昇します。「吹き寄せ効果」と呼ばれます」
市川:
「この2つの効果だけでも海面は、かなり上がるわけですね」

小野:
「この状態に、海が荒れて、高波が加わると、地形や、台風の位置にもよりますが、被害につながる恐れがあります。満潮の時刻や、大潮のときは、もっと海面が上がります」
市川:
「能登の海岸では、地震で護岸が壊れている所もありますから、一層の注意が必要ですね」
小野:
「最後に、気象台の週間予報でこの先の天気をもう一度、確認しましょう」

小野:
「あすの金沢は37度の予想です。土曜日からは、前線や台風の影響を受けるでしょう。最高気温・最低気温とも、平年より高い日が多いでしょう。」
市川:
「あすの暑さ、そして、台風情報には十分、気を付けましょう。小野さんとお伝えしました」