P・マッカートニー、来年2月アルバム発売
ザ・ビートルズ、ウイングス、ソロとして刺激的な音楽を送り出し、20世紀から21世紀にかけての音楽シーンを築き上げてきたミュージシャン、ポール・マッカートニー(69)が来年2月上旬、ニューアルバム(タイトル未定)をリリースすることが明らかになった。
2012年は、ポールにとって生誕70周年(6月18日)、ビートルズでデビューして50年(10月5日)という節目の年。ポールは初のチャレンジとなる、古き良きアメリカのスタンダード・アルバムを送り出す。
構想は20年以上。「今やらなければ、もう絶対にやらないっていうような作品だよ」とポールが語るように、満を持して制作された作品。収録曲はまだ明かされていない。
スタンダード曲について、ポールは自身の作曲と関連付け、次のように語っている。
「僕が曲を書くようになって分かったのは、それらスタンダード曲の構成がどれほど優れているかということだった。それで、それらの曲から多くのことを学ぼうと考えた。いつも心の中にあったのは、フレッド・アステアのようなアーティストがとてもイカしていたことだった。それから、ハロルド・アーレン、コール・ポーターなど、彼らのような作曲家のことも忘れたことがない──彼らが作る曲は魔法そのものだった。それで、僕もそういう作曲家を目指すようになった。彼らのような美しい曲が書ける作曲家にね」。
新作は、アメリカのポピュラー音楽史上の偉大なソングライターへのオマージュ的要素を含んでいる。さらにポールの書き下ろしの新曲が2曲「マイ・ヴァレンタイン」「オンリー・アワ・ハーツ」が収録されるという。
プロデュースは、グラミー賞を何度も獲得している米ポピュラー音楽界の大御所中の大御所、トピー・リピューマ。演奏は、ジャズ界の女王ダイアナ・クラール(ピアノ)が自身のバンドを率いて全面バックアップしている。ポールは楽器を演奏せず、ボーカルのみに専念している。
レコーディングに関してポールは、「とても自然にできた。ある種の本質を見た気分だ。このやり方はビートルズ時代のことを思い出させてくれた。当時は曲をスタジオに持ち込み、ちょっと試してみて、方向が決まると、こう言ったものだ。“オーケイ、いまから録音しよう”ってね。スタジオでライヴ録音していたようなものだ」と古くて新しい感覚を味わったことを明かしている。
アルバムには、エリック・クラプトンとスティーヴィー・ワンダーがゲスト参加。ロサンジェルスのキャピトル・スタジオをはじめ、ニューヨークとロンドンでレコーディングされた。アルバム・タイトル及び収録曲目は近日公開予定。