【解説】衆院選公示“異例ずくめ”12日間の選挙戦スタート 注目ポイントは?
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鈴江奈々キャスター
「3つの疑問について聞いていきます。
1.投票用紙も『異例』選挙戦
2.勝敗ラインは…注目の数字
3.投票の参考に…3つのきっかけ
まず1つめ、『異例』とも言える短期決戦となりまして、投票用紙も『異例』の事態となっているんですか?」
政治部官邸キャップ 平本典昭記者
「衆議院選挙で使われる投票用紙とほぼ同じ大きさ、同じ材質のモノを特別にかりてきました。ここでクイズです。斎藤佑樹キャスターに聞きます。この投票用紙の特徴は何だと思いますか?」
斎藤佑樹キャスター
「特徴?」
平本記者
「選挙に使うということです」
斎藤キャスター
「紙がしっかりしているから破れづらいとか、そういうことですか?」
平本記者
「正解です。破こうと思っても破れづらい材質です。それともう1つ、開票作業をしやすくする特徴もあるんですが、この答えはどうでしょうか?」
鈴江キャスター
「折り曲げた後、すぐにまっすぐになるようになっている」
平本記者
「さすが、正解です。投票の時は見えないように折り曲げますよね。箱に入れた後、戻る、こういう材質の特徴があります。このことによって投票箱の中で元に戻るので、開票の際に手間が省けて開票作業の時間短縮化につながるということのようです」
「ちなみにこちらの会社の投票用紙は、すでに47都道府県の自治体から発注が入っているようです。担当の人によると、今回の選挙戦では異例の事態が起きていたと。というのも、石破首相が解散を表明したのは9月30日でしたが、自治体の中にはフライングでその前に発注してきた自治体もあったと。この理由は、担当の人は『短期決戦で準備が間に合わないから、フライングで自治体がこの投票用紙の発注をした異例の事態が今回は起きていた』と話していました」
鈴江キャスター
「短期だからこそ起きている事態ということですよね」
鈴江キャスター
「2つめの『勝敗ライン…注目の数字』。私たちはどの数字に注目したらいいでしょうか?」
平本記者
「1つめの注目の数字は『233』です。これは衆議院の過半数です。今回の選挙戦は465議席を争います。石破首相は勝敗ラインとして自民党、公明党で過半数、233議席の獲得を掲げています。また、自民党は公示前の議席は247です。自民党が逆風の中、議席を減らすという見方も出る中、単独でこの233をキープできるかも焦点です」
「2つめの数字は『46』という数字です。これはいわゆる裏金議員が立候補する選挙区の数です。自民党はいわゆる裏金議員の中で12人を非公認にしました。それ以外の公認された裏金議員も、仮に小選挙区で敗北しても復活当選が可能な比例代表への重複立候補を認めない方針を決めました。これをあわせて数えると46にのぼるわけです。裏金問題の自民党の対応に有権者の審判が初めて下される形で、選挙戦全体の行方にも影響を与えそうです」
鈴江キャスター
「今、自民党には逆風という流れではありますけれども、自民党・公明党で過半数、233議席の獲得という目標設定自体は、わりと低く見積もっているようにもみえますが、どうなんでしょうか?」
平本記者
「これは石破首相が国会でしっかり安定した議席数を獲得するということで自民党・公明党での過半数というふうに言っていますが、野党側から言いますと、それはラインとしては低いんではないかという声は確かに聞きます」
鈴江キャスター
「次に『投票のきっかけ…3つのポイント』とは何でしょうか?」
平本記者
「私たちの生活に身近なテーマが今回、多く争点になっています。主な3つを紹介します。1つめは『物価高対策』です。自民党が低所得者向けの給付金、立憲民主党は中低所得者向けに給付付きの控除で消費税の負担軽減をするなどとしています。これ以外の野党は消費減税を訴えるなどしています」
「2つめは『最低賃金1500円』です。これは多くの政党が目標に掲げる中、選挙戦では実現する具体的な道筋、例えば成長戦略の具体論を提示することなどが求められます」
「そして3つめですが、『政治とカネの問題への対応』です。選挙戦に入って政策活動費をめぐる議論がまた熱を帯びています。というのも、石破首相が選挙戦で政策活動費を使うかについて発言が『使う』『抑制的に使う』と言っていたのが『使わない』と発言がぶれているためです。また、石破首相がいわゆる裏金議員について、当選した場合、追加で公認し、政府や党の要職への起用も『適材適所』と否定しなかったことにも野党は批判を強めています。これに加えて、政策としては他に安全保障政策、選択的夫婦別姓なども注目です」
鈴江キャスター
「さまざまな政策が注目されますが、『news every.』ではこうした政策について、各党の違いを連日伝えていきます。みなさんが投票にいくきっかけにしてもらえたらと思います」