【裁判詳報】父・田村修被告結審「計画を知ってたか否か」主張真っ向対立!注目判決は3月12日

札幌・すすきののホテルで2023年7月、頭部のない男性(当時62)の遺体が見つかった事件で、逮捕・起訴された親子3人のうち、殺人ほう助や死体損壊ほう助などの罪に問われている父親の田村修被告(61)の10回目の裁判が、2025年2月18日に札幌地裁で開かれました。
検察は父親に対し、懲役10年を求刑しました。検察の主張は以下の通り。
■論告
・遅くとも男性と会う約束をした6月18日ごろには、瑠奈被告の殺害計画を知っていた
・犯行計画は、物品の準備から計画の実行に至るまで修被告の関与が不可欠であり、6月19日以降、ナイフやキャリーケース、漂白剤など瑠奈被告の計画に必要な物を次々と購入した
・犯行計画を知らなかったとするならば、自宅に死体を置いておくことに少なくとも抵抗を示したはずであり、それすらしなかったのは極めて不自然
・被害者の頭部を持ってきた瑠奈被告を自宅まで連れて帰り、頭部の隠匿場所として、家族の共有スペースである浴室を提供した
・瑠奈被告が頭部を損壊する様子をビデオ撮影したことについて、修被告が撮影することで、瑠奈被告は両手を使いながら作業ができ、記録したいところを鮮明にビデオ撮影することができた
・瑠奈被告単独ではできない死体損壊行為を可能にさせたという点では、直接的な手助け
・損壊行為を止めないどころか、瑠奈被告の考える態様での損壊行為に協力してくれたという点で、少なくとも心理的な手助けに該当する
・瑠奈被告の各犯行のほぼ全般に関与しており、不可欠かつ重要な役割を果たした
一方、弁護側は一貫して無罪を主張しています。弁護側の主張は以下の通り。
■弁論
・ナイフ、ノコギリ、ハイターなどはいずれもホームセンターで誰でも簡単に購入可能で、殺人や死体損壊を目的とした道具ではない
・凶器などは瑠奈被告の殺人や死体損壊に使われた道具であることは後々に判明しただけで、道具を買ったという事実から殺意などを認識していた事実を推認できない
・インターネット検索について「殺人 時効」「ハイターで指紋は消せる?」などの履歴が残っている一方で、殺人、頭部離脱の方法など、殺人や死体損壊を実行するに当たっての直接的なキーワードが存在しない
・家族との生活が終わることを分かった上で殺害を手伝いたいという動機が全くない
・ビデオ撮影について、死体そのものや死体損壊行為を撮影すること自体を直接処罰する法律は存在しない
・瑠奈被告の損壊行為時の内心に関する、瑠奈被告の供述が存在しない。
・修被告の撮影行為が瑠奈被告による頭部損壊行為を精神的に力づけ、意図を維持・強化することに役立ったとは認定できない。
・いずれの罪も成立しない。修被告は無罪。