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水谷八重子「いつまでも美しい半さまで」

2011年12月29日 17:45
水谷八重子「いつまでも美しい半さまで」

 多臓器不全のため亡くなった歌舞伎俳優で舞踊家の岩井半四郎さん(享年84)の葬儀が29日、東京・築地本願寺で営まれ、女優の朝丘雪路(76)、歌舞伎俳優の片岡仁左衛門(67)ら約350人が参列した。

 半四郎さんの初舞台が初代水谷八重子さんとの共演だった関係で、2代目水谷八重子(72)が弔辞を述べた。
 
 水谷は15歳のころに、半四郎さんが演じた「空蝉(うつせみ)」の光の君に魅了され、「『光さま、すてきね』ってとりこのようになった。その後、一緒にご飯を食べたことを覚えています」と出会った当時を振り返り、「半さま、お久しゅうございます。15歳のときお目にかかって、美しさにポカーンと見とれた、あのときの私に戻っています」と静かに遺影に語りかけた。
 「いつまでもその美しい半さまでいらしてください。いつかまたお目にかかるときは私は15歳、半さまは光り輝く光るの半さまで。どうぞお幸せでいらっしゃいますよう、お祈りしております」とお別れの言葉をつむいだ。

 喪主で長男の仁科周興(ただおき)さんが、参列者に「しめやかな中にも盛大に父を送ることができた」と感謝を伝え、「父は私たちにとって偉大な存在であり、心の支えでした。今後は父の教えを胸に生ききていこうと思っています」と誓った。

 出棺の際は、岩井流の舞曲「三つ扇」が流され、長女の岩井友見(60)、次女の仁科亜季子(58)、孫の仁科克基(29)ら家族が見守った。