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名脇役の主演遺作。中孝介、主題歌生披露

2012年1月18日 22:35
名脇役の主演遺作。中孝介、主題歌生披露

 昨年12月24日に直腸がんのため亡くなった俳優の入川保則さん(享年72)が主演した遺作「ビターコーヒーライフ」(5月12日公開)の完成披露試写会が18日、都内で行われ、入川さんの長男の鈴木正則さん(31)、劇中で娘役を演じた女優の山本ひかる(20)、主題歌を歌う中孝介(31)らが舞台あいさつを行った。

 遺影を持って登壇した正則さんは、「本来なら父がここに立っているのが一番よかったんでしょうけど、きっとどこからか見ているのではないかと思う」と心情を明かし、「(この)映画があったからこそ12月まで生きてこられたのだと思うので、心から感謝をしたい」とあいさつした。

 入川さんが演じた元刑事の養女役を務めた山本は、「入川さんの遺作になると聞いていたので、責任を感じてなかなかうまくいかないシーンもあったけど、入川さんが『大丈夫だよ、落ち着いてやればいいからね』と励ましてくれた」とこみ上げる思いをこらえきれず、涙ながらに撮影を回想。「最後までかっこいいお父さんを演じていらっしゃった。入川さんのかっこいいお父さんの姿を見てほしい」と観客に伝えた。

 中は、主題歌「遺書の書き方」を歌唱。正則さんと囲み会見にも応じた。
 作品を観賞した中は「入川さんの人生そのものが描かれているようですばらしい作品でした」と称賛。昨年11月に入院中の入川さんと初対面した際のことを振り返り、「『この曲に出会えてうれしかった』と言ってくださって、身に余る言葉だった。歌を通して、音楽を通して入川さんの生きる、生き抜くという、人が生きていく上で一番大事なことを教わったと思う」としみじみ話した。