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山田吾一さん通夜、220人が別れ惜しむ

2012年10月18日 21:20
山田吾一さん通夜、220人が別れ惜しむ

 心不全のため13日に亡くなった俳優の山田吾一さん(享年79)の通夜が18日、神奈川・横浜でしめやかに営まれた。

 祭壇には今年8月に長女と孫2人の4人で行った北海道旅行で孫が撮影したという1枚が飾られ、俳優の久保明(75)、俳優で声優の羽佐間道夫(79)ら参列者220人を迎えた。

 ひつぎには山田さんがお気に入りだったデニム地の帽子と長女が編んだ手編みのマフラー、思い出の写真が収められた。戒名は「放光院禅月悟道居士(ほうこういんぜんげつごどうこじ)」。

 山田さんは2004年に胸部大動脈りゅうの手術を行っており、声が出ない状態から1年半のリハビリを経てみごと復帰した。
 術後から亡くなるまで月に2回の病院通いを続けていたが、近年、体に異変や不調な部分はなかったという。

 明日の葬儀告別式で弔辞を述べる俳優で文学座代表の加藤武(83)は、弔問後に取材に応じると「もうずいぶん長い付き合いになるからね。彼の芝居を見てはいつも非常に厳しい意見を浴びせていました。反省していますよ」と苦笑い。
 「でも、そんな厳しいことも言えるような良い関係だったんです。さっぱりした青空を見ているような、正義感に満ち溢れたいい男でしたね」と故人をしのんだ。
 山田さんとの思い出を尋ねられると「ありすぎますからね」と前置きしつつ「のんべいでしたけど、晩年はそんなに飲まなかったな。お茶だけで2時間くらい話し込んだりしてね。ついこの間、9月くらいかな。歌舞伎の話やなんやをじっくり話したね。コーヒー1杯で。あれが最後になりましたね」としみじみ。
 遺影へは何と言葉をかけたかと尋ねられると「まだ明日もありますから。そうして別れを惜しんでるんですよ」と寂しそうだった。