最新作“桃鉄ワールド” 『地球の歩き方』が物件監修 「かなり直してもらった」監督明かす秘話
■コロナ禍のゲーム制作
桃鉄の特徴のひとつが、各地で物件が購入できること。主に日本を舞台にした、これまでの『桃太郎電鉄』では、制作スタッフが実際に全国各地を歩き回って、その土地の名産品や産業などの物件を調査したといいます。
世界を舞台にした本作では、どのように物件を決めたのか? ゲーム監督の桝田省治さんは、「(制作中は)コロナがまん延して、とても(海外へ)行ける状態ではなかった」と、海外に行って調査できなかったと明かしました。
そこで、どのように各国を調査したのかというと「まずは公式的なサイト、観光局や正確な統計を出している国のデータを収集しました。また、(その場所に)行った人のブログを、現地の言葉を翻訳して(調べた)」と、インターネットなどで地道に情報収集したと説明。
そして、収集した情報について、「トリプルチェックぐらいした。まずは、(情報が)正確かどうか、もっと面白い物件はないか、今だったらこっちの方が流行している(など精査した)」と、徹底的にチェックしたそうです。
■『地球の歩き方』がゲームを監修
さらに、情報の精度を上げるため、旅行ガイドブックの出版社に協力を求めたそうで、「『地球の歩き方』の編集部に手伝ってもらえることになったので、彼らに(世界各地の物件案を)1回見てもらったら、“その鉱山は20年ぐらい前に廃止になっている”とか、(ニューカレドニアは)『天使のエビ』が名物、特産品だと調べ、それが食べられるレストランがあるだろうと思って、『天使のエビの食堂』という物件案を書いて指摘されたのは、“(天使のエビ)は高級品なので、現地では食べていません。すべて輸出品です ”(と言われた)。かなり直してもらった」ということです。
■ゲームを通じて教養を深める要素も
桃鉄ワールドには、教養を深める要素もあるそうで、「“IT企業の価値が上がるから(物件を)買うといいよ”、というイベントがあるんですけど、(IT企業は)アメリカとかヨーロッパに集中しているんだけど、すごく遠い所(国や地域)にもあったりする。(プレーヤーは)遠いなと言いながら、買いに行くと大変な思いをするから覚える。こんな所にもIT企業があると、先進国ではない所にも芽があることを、なんとなく地球を回しながら、あちこち飛んで覚えてもらえればいい」と、教材としての要素を明かしました。
また、ゲーム画面を眺めるだけで、その地域の名産品や、生息する動物を知ることができるほか、建築物や都市などを虫メガネでチェックすると、観光名所の解説が表示されます。さらに、特定の都市の物件を独占すると、その場所にまつわる偉人が登場し、歴史を学ぶこともできるのです。
桝田さんは、「これから伸びそうな所(国や地域)は(ゲームをプレイすれば)なんとなく分かる。これだけ人口がいて資源もたくさんあって、10年後なのか50年後なのか、もしかしたら100年後かもしれないけど、とんでもない国や地域になるということが分かる」と桃鉄ワールドを通じて今後、発展していくであろう様々な国(や地域)の存在を感じ取ってほしいと語りました。