ハローキティが脱皮!?約1200点展示「サンリオ展」の魅力 平和への願いも
サンリオ展の会場には、創業60年以上の歴史を紐解く貴重な原画やグッズなど約1200点が展示されています。
■山本紗英子アナウンサー
「展示の中には、サンリオのキャラクターからインスピレーションを受けて作られた作品もあります。その中の一つが『脱皮するキティ』。熊本出身のアーティストが手がけました」
重さ150トンの力で割れた木の台座に座る木材と金属でできたハローキティ。サンリオキャラクターの「いちごの王さま」が気球に乗った作品も。それぞれ違う色ですが、材料は同じチタンという金属です。
大分県竹田市にある作者のアトリエを訪ねました。金属を使って作品をつくる彫刻家の森貴也さん。玉名市の出身です。
材料に使うチタンは、熱や電気を加えると色が変わる性質があります。チタンの特性を生かしたカラフルな作品。サンリオ展に展示される「空飛ぶいちごの王さま」にもその特性が生かされています。子どもの頃好きだった「ザ ラナバウツ」でいちごの気球をかたどった作品の背景には、森さんが共感したサンリオの企業理念があります。
■彫刻家 森貴也さん
「サンリオの創業者は戦争を体験されている方で、サンリオの大きなテーマは戦争のない平和な世界というものなので、僕も平和を願って作品を作っているので共通のテーマもある」
太平洋戦争の頃には、金属でできたアート作品は国に徴収され、兵器に変わっていきました。森さんは金属をアートに変えることが平和につながると考えています。
■彫刻家 森貴也さん
「金属を使って作品を作って、平和な世界を次の世代につないでいきたい。悲しくなるような出来事、戦争も他の国では続いていますから、どんどん境界線がサンリオのキャラクターでなくなっていって、笑顔は世界共通なのでたくさんの人の笑顔を作っていってもらいたいと思っています」
世界中の人たちを結ぶ「仲良し」のシンボルといわれるハローキティのリボン。そこに映し出されるのは未来への希望、そして森さんの平和への願いです。
「サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史」は6月30日まで熊本市現代美術館で開かれています。
(午前10時~午後8時 火曜休館)