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【昭和100年② 懐かしの食堂】岩手

2025年2月11日 20:28
【昭和100年② 懐かしの食堂】岩手

ことしは、昭和が始まってちょうど100年ということで、プラス1では、シリーズで「岩手に残る昭和の面影」を伝えています。

2回目は、県内のあちこちに残る懐かしさを感じさせる食堂です。遠藤記者の取材です。

レトロな街並みが残る県北、軽米町。

売り手 買い手 世間よしの三方よしを暖簾に掲げる軽米食堂です。

人気バレーボール漫画「ハイキュー!!」の聖地とされる軽米町のこちらの食堂では、漫画を応援するメニューも用意しています。

ご主人の堀米成嘉さんは三代目。昔からのラーメンの味を守り続けています。

具は大きめのチャーシューにメンマ、海苔とネギ。

熱々のラーメンは冷えた体を温めてくれます。

  掘米成嘉さん
 「老朽化していますので、そこら中ガタガタなんで撮られても湯気でカバーするかなって」
 Q 堀米さん68歳って昭和31年生まれですか?
 「私は早生まれだから32年生まれですが、2月生まれなんで31年生まれの人たちと同じ学年同級生は元気な人が多い」

軽米食堂は、堀米儀三さんが昭和8年、1933年に始めました。

昭和38年、成嘉さんは小学校1年生でした。

ふるさと軽米が大好きな成嘉さんは、街の風景やお祭りを丹念にフィルムに収めてきました。特に夏祭りは血が騒いだようです。

  堀米成嘉さん
 「祭りバカって言われてましたから、とにかくこの神楽のガックラガックラガックラって権現様の音とか、もう太鼓の音とか、もうどうしようもなかったですね。ワクワクドキドキ、ワクワクワクワクで。私はね、だから今は寂しいけどね」

万国旗で客を迎えてくれる花巻市東和町の土沢商店街。

この中心に戦後間もない頃、昭和24年、1949年から店を構えているのが松葉商店です。

名物のたこ焼きは、地元岩手のタコにこだわり、小麦粉も岩手産。ご主人の松葉孝博さんは3代目。たこ焼きはソースを使う店が多いのですが、松葉商店では地元東和町のしょう油にこだわり、上品な味に仕上げています。

松葉さんは地元の味だけではなく、昭和からの商店街の役割も大切にしています。

 松葉孝博さん
 「商店街って昔から芸術だったり、そこに根づいているお祭りだったり、子どもたちの通学路であれば子どもたちの見守りだったり、いろいろな役割を担っていた」

松葉商店は盛岡や北上などにも支店を出しています。

  松葉孝博さん
 「盛岡の方とかが、やっぱり本店には一度行ってみないと、という感じで来てくれる。そういう感じで、少しでもこの地域に貢献していければと思っています」

古い店が多く残る一関市千厩町。

その四つ角にあるのが小角食堂です。創業は江戸時代の元禄年間。なんと320年以上前です。

店を切り盛りしているのは、店主の門間浩さん51歳、弟の悟さん49歳、母の眞由美さん76歳です。

店の名物は、あんかけかつ丼。分厚い豚肉をきれいな油で揚げます。

 門間浩さん
 Q何℃くらいで揚げるんですか?
 「180度です」
 Qフライヤーを使わないって何か理由があるんですか?
 「こまめに小さいので油を替えたほうが揚がりがいいので」

揚がったカツの油を良く切って切り分けます。豚肉は先代・お父さんの時から地元館ヶ森アーク牧場のブランド豚を使っています。

小角食堂の「あんかけかつ丼」は、浩さんのおばあさんが70年以上前に始めました。

  門間浩さん
 「ベースはソースなんです。出汁が、うちはそばもやっているので、カツオ出汁とソースと調味料。できるだけ長く続けたいと思っています。この味を残すためにもね」

懐かしさを感じさせる一関市千厩町の街並み。そして江戸時代からの暖簾は大切に受け継がれています。

最終更新日:2025年2月11日 20:28
    テレビ岩手のニュース