恵方巻きトレンドは?“フードロス”対策も
来月の節分に合わせ、すっかりおなじみになったのが、その年の恵方に向かってがぶっとかぶりつく恵方巻き。デパ地下には、ブランド牛やウナギを巻き込んだ豪華な恵方巻きが登場している。今年のトレンドを取材した。
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■デパ地下では肉を豪快に巻いた恵方巻きも!
大丸東京店で作られていたのは、エビやカニなど14種類の具材がぎっしり詰まった恵方巻き。来月の節分を前に、恵方巻き商戦が早くも盛り上がりを見せている。大丸東京店で扱う商品はなんと150種類以上。今年のトレンドを聞いてみた。
大丸東京店 惣菜・弁当担当 太葉田大さん「ガッツリと召し上がりたい方も多くいらっしゃいますので、肉の恵方巻きも多く取りそろえています」
香ばしく焼き上げた甘みの強い米沢牛250グラムを豪快に挟んだ「ステーキ巻き」(税込み1万800円)や、サクサクのパイ生地の中にソーセージが入ったパンの恵方巻き「アルザシアン」(税込み626円)、鹿児島県産のウナギと米沢牛ステーキが半分ずつ入った「梅ばち恵方巻きハーフ&ハーフ」(税込み2700円)などを取りそろえている。ここ数年、王道のエビやカニなどが入った海鮮恵方巻きだけでなく、高級肉を使ったものが好評ということで、肉を巻いた恵方巻きの種類を増やしているという。
■コンビニではあの商品にも恵方巻き味が…
そして、大手コンビニからは、意外な恵方巻きが登場した。「ポテトチップス恵方巻味」(税込み178円※1月22日より販売・数量限定)は、しょうゆダレをベースに、酢飯を表現するため酸味を加え、焼きのりをトッピングしたポテトチップスだ。
ローソン商品本部ドライ商品部 菓子アドバイザー・松林千宏さん「パッケージを写真で撮ったり、それをSNSで拡散したりとか、そもそもどんな味だろうということを想像したりとか、小さな楽しい体験ができるということも、商品の特徴の一つかなと思います」
■売れ残りを大量廃棄…フードロス問題への対策は?
こうした恵方巻き商戦が過熱する一方、問題となっているのが、売れ残った恵方巻きを大量に廃棄する“フードロス”。スーパーなどで出た食材の処理を行うリサイクルセンターでは、例年1月下旬から2月はじめにかけて、ご飯の廃棄量が1~2割増加する。豚のエサとしてリサイクルされているが、1日5~10トンのご飯が持ち込まれるという。
そのため農水省は、今年初めて、コンビニやスーパーなどの業界団体に、需要に見合った販売を行い、食品廃棄を減らすよう文書で通知。こうした中、百貨店では今回初となるフードロス対策を始めた。
大丸東京店 惣菜・弁当担当 太葉田大さん「今年からはウェブでの事前の予約もいただいています」
店頭予約などの他に、インターネットで事前に予約を受け付けることで、食材の量を管理できるという。
■大手すしチェーンの“フードロス問題”対策は?
また、大手すしチェーン店「無添くら寿司」では、イワシを丸ごと1匹巻いた「まるごといわし巻」(税抜き350円※数量限定・店頭予約)や、エビマヨと素揚げしたちくわを巻いた恵方巻き「なんだこれは!?巻」(税抜き230円※店頭予約)など、7種類の恵方巻きの予約がスタートした。年々売り上げを伸ばしているという恵方巻き。“フードロス対策”については…。
無添くら寿司広報宣伝部 東日本宣伝マネージャー・辻明宏さん「基本は予約を受け付けて、それ(予約)に合わせて材料を仕入れて、当日、その数だけ巻く。廃棄が出ない仕組みで調整しています」
万が一、恵方巻きの食材が余ったとしても、恵方巻きに入っている「穴子」などは、回転ずしのメニューの具材として転用できるため、有効活用できるという。
お客さん「食べられないで捨てられちゃうのはもったいないなと思っていたので、予約して確実に食べられるのはすごくいい取り組みだなって」「食料問題はずっと続いているので、(フードロス対策は)今後も続けていってもらいたいと思います」
各社、対策が進む“フードロス問題”。廃棄を少なくしながら、恵方巻きを楽しみたいものだ。