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IMF 日銀に大規模金融緩和策の修正を提言

2024年2月9日 16:57
IMF 日銀に大規模金融緩和策の修正を提言

IMF=国際通貨基金は9日、日本経済に関する審査を終えて声明を発表しました。日本銀行に大規模金融緩和策の修正を提言したほか、去年11月に政府がとりまとめた経済対策について「的が絞られておらず妥当ではなかった」と指摘しています。

IMFは毎年、代表団を派遣して日本の経済状況などを審査し、報告書を公表します。

9日に発表された審査後の声明でIMFは、変動が大きい生鮮食品とエネルギーを除いた日本の物価上昇率が、2025年後半まで日銀が目標に掲げる2%を上回る水準で推移すると予測。「短期的には金融安定性を保ちつつ、非伝統的な金融政策の縮小と財政引き締めに焦点を移すべきだ」と指摘しました。

日銀はマイナス金利政策の解除など大規模金融緩和策の修正を検討していますが、IMFもこうした流れを後押しした形です。

IMFはさらに長期金利を低く抑え込む「イールドカーブ・コントロール(YCC)」の撤廃や長期国債の買い入れ額などを増やす「量的・質的金融緩和」などの大規模緩和策も終了させるべきだと提言。「その後は短期政策金利を段階的に引き上げることを検討すべきだ」としています。

一方IMFは、日本政府が去年11月に打ち出した住民税非課税世帯への給付や所得税・住民税の定額減税などの経済対策について「債務対GDP比の高さを踏まえると、規模が大きく、よく的が絞られていなかった財政刺激パッケージは妥当ではなかった」と指摘しました。

特に膨らむ予算規模を問題視し、「追加支出は、歳入増や他分野の歳出削減で相殺されるべきだった」と分析。所得税減税についても、「成長に及ぼす影響は限定的と予想される」と厳しい見方を示しました。

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