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正男氏殺害後「ひりひりする痛み、頭痛も」

2017年2月22日 0:54

 北朝鮮の金正男氏がマレーシアで殺害された事件で、地元メディアによると、逮捕されたシティ アイシャ容疑者とドアン・ティ・フォン容疑者ら女2人の新たな供述が明らかになった。

 実行犯の2人の供述(地元メディアより)「空港で他の人たちに“いたずら”をしたとき、主犯格が私たちに渡したのは普通の水だったはず」「本当に“いたずら”の一環だと思っていた」

 2人は犯行前、空港で水を使って何度も練習をしたという。そのため、実際に正男氏の顔に塗りつけたのも、水だと思っていたという。

 しかし、犯行後には自身の体にも異変が起きたという。

 実行犯の女2人の供述(地元メディアより)「手にひりひりする痛みがあって、頭痛もあった」

 犯行に使用されたのは何だったのか。毒物に詳しい専門家は─。

 昭和大学・沼澤聡教授「『VX』である可能性が最も高いと思います。神経をある意味、まひさせるものではあります。常温、通常の状態では溶液です」

 防犯カメラの映像では、フォン容疑者が手袋をしているようにみえる。沼澤教授によると、VXは気体になりづらいため、掃除などに使用するような材質のゴム手袋をつけていれば、触ってもほとんど影響はないという。

 一方で、ごく微量が皮膚についた場合、女の供述のように頭痛などを引き起こす可能性があるという。

 また犯行についても─。

 昭和大学・沼澤聡教授「こういった油に溶けやすい化学物質は (油分が多い)顔は吸収されやすい。『VX』だと四肢の力が脱力状態になりますので、(空港の医務室で撮影された金正男氏とされる)写真は『VX』と考えて大きな矛盾はないと思います」

 日本時間の21日夕方、正男氏の遺体が安置されている病院が初めて会見を行った。毒物の鑑定結果が注目されたが─。

 病院関係者「(死亡者の)検体はすぐに警察官に渡され、分析のために研究所に送られた。まだ(毒物鑑定などの)結果は分かっていない」

 死因や毒物などは現時点では特定されていないという。また、正男氏の親族も病院には現れていないと明かした。